シリア反政府派は今年42機の航空機を撃墜

2012.12.30


 alarabiya.netによれば、シリアの革命地域調整委員会が、2012年に反政府派は政府軍の19機のミグ戦闘機と22機のヘリコプターを破壊したと言いました。

 11機は地上で反政府派の襲撃により、様々な空軍基地で、30機は飛行中に撃墜されました。43機の航空機を破壊したことが、最初にミグ戦闘機が撃ち落とされたイデリブ州で記録されました。ダマスカスでは16機が破壊され、アレッポでは8機、デリゾールでは7機、ハマでは5機、ホムスでは2機が破壊されました。

 この調査は自由シリア軍の防空能力と政権軍の航空機を撃墜する能力の増加を示しました。昨年反乱が始まってから合計で103機の航空機を破壊したと地域調整委員会は報告し、航空機の83機は撃墜されるか、地上で破壊されたことがビデオ撮影されたと言いました。2012年の8月と11月は最高の数値を示し、両月とも1日に1機を撃墜しました。

 シリア政府は自由シリア軍がアラブ諸国と西欧諸国から重火器を受け取ったと非難しますが、北部シリアにいるアル・アラビヤの記者は、すべての航空機は自由シリア軍が戦闘で政府軍から奪った兵器で撃墜されたことを明らかにしました。自由シリア軍は航空機を撃墜するために二連装ZU-23を含む対空機銃に頼っています。それらは70〜80年代にソ連がシリア軍に最初に提供したものでした。


 記事の後半は省略しました。

 数字が微妙に矛盾している点は気になりますが、概ね40機の航空機を反政府派が撃墜したと考えてよさそうです。globalsecurity.orgによれば、2012年の時点でシリア軍は戦闘爆撃機を289機保有しています。戦闘戦用の機体もあり、これらを地上用に改造することも考えそうですが、とりあえずは含めないことにしましょう。ヘリコプターは191機です。合計で480機です。反政府派は8.7%を撃墜したことになります。これでは、まだ空軍力に重大な打撃を与えたとは言えません。しかし、樽爆弾を使わざるを得ないほど、政府軍の弾薬が欠乏していることは大きな戦果です。ホムスまで反政府派が奪取すると、いよいよ政府側には石油を得る手立てがなくなります。

 また、防空力が向上したのは、今年半ばからだということを考えれば、決して悪い数字ではなく、来年はさらに多くを撃墜できると言えます。もはや、シリア軍にはそれを防ぐ手はありません。諸外国が対空ミサイルを提供するのをためらうのなら、こうした旧式防空兵器を提供しても十分な効果が期待できるかも知れません。

 下はZU-23のデモ映像です。

 年末年始も平常通り記事を更新したいと考えています。よろしくお願いします。


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