北朝鮮が銀河3号の設置を完了

2012.12.6


 朝鮮日報によれば、北朝鮮は銀河3号を発射台に設置する作業を5日までに完了させました。

 北朝鮮は10〜22日の間にミサイルを発射すると予告していますが、気象条件がよいと予想される10〜12日の間に発射する可能性が高まっています。韓国軍の消息筋は同日「衛星写真などを判読した結果、5日午前に平安北道東倉里のミサイル発射台で1段目から3段目までの設置を完了したと分析される」と語りました。作業員たちが発射台から撤収する様子も確認されました。北朝鮮はミサイル技術の点検を終えた上で、8〜9日ごろに燃料と酸化剤からなる推進剤を注入するとみられます。推進剤は揮発性と腐食性が高いため、通常は推進剤をロケットに注入してから1〜3日以内に発射しなければなりません。韓国気象庁によると、ミサイル発射場のある平安北道の天気は、10〜11日はやや曇り、12日は厚い雲に覆われますが、雪や雨は降らないと予想されます。


 作業に慣れたのか、効率化されたのかは分かりませんが、かなり手際よく発射台への据え付けが完了しました。問題は打ち上げ時の気候です。特に気温が重要なのですが、この記事は晴天かどうかしか書いていません。

 長期間、寒風の中にロケット機体をさらすことは、故障につながりますから、できるだけ早くに打ち上げるのが常識です。記事が指摘するとおり、打ち上げ予告期間の早い段階で、好条件をつかまえて打ち上げると考えるべきです。10日までに十分な時間があるので、10〜12日の打ち上げを記事が予測した点は妥当です。

 東倉里と緯度が同じくらいで、日本海側の北朝鮮の町、咸興市(ハムフンシ)と、東倉里から北西55kmにある新義州市(シニジュシ)の午前の気温予想を見てみます(咸興市新義州市)。期間内の風速は問題ないので省略します。東倉里の気温はこの二都市の中間とみて差し支えありません。

 
10日
11日
12日
13日
14日
咸興市
-3℃
-9℃
0℃
-4℃
0℃
-3℃
1℃
-3℃
2℃
2℃
新義州市

-9℃
-12℃

-9℃
-11℃
-9℃
-12℃

-7℃
-9℃

-1℃
-4℃

 気温でいえば、10〜12日までは、かなり厳しいと言わざるを得ません。14日まで待てば、気温は上昇します。予測なので、実際にどうなるかは分かりませんが、私なら14日以降に打ち上げたくなります。午前中に北朝鮮がこだわる理由は不明です。午後の方が気温はあがります。これには何か理由があるのかも知れません。本当にこんな条件で打ち上げるのかと、未だに疑問です。何が起きるのか、私は興味津々です。



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