パキスタン補給路閉鎖で撤退コスト増?

2012.2.26


 military.comによれば、パキスタンが本気で補給路を再開しないとアフガニスタン撤退のコストは4〜5倍に増加します。

 水曜日の時点でアフガンへ通じるパキスタンの補給路は89日間閉ざされたままです。陸軍は現在、兵士と契約業者が大量のコンテナを「北部配給ネットワーク(the Northern Distribution Network)」で運べるかを調査中です。もしこのルートと空輸だけに頼った場合、コストは5倍になるとケビン・レナード少将(Maj. Gen. Kevin Leonard)は言いました。NATO軍はより多くを空輸とアフガン北部の国々を通るトラックと列車に頼ってきました。レナード少将はシベリア鉄道を通る列車も使ったと言いました。「アフガンはイラクではなく、我々はそれを分かっています」とレナード少将は陸軍冬季セミナーのパネルセッションで言いました。

 陸軍資材司令部の副官で、まもなく指揮官になるデニス・ヴァイア中将(Lt. Gen. Dennis Via)はアフガンの補給が各軍を重圧の下に置いていると言いました。彼は陸軍の輸送部隊が天候、地形、港湾の欠如のような明白なアフガンで直面している、いくつかの問題をあげました。

 イラクの例ではクウェートが隣国として助けになり、兵士たちはこの国を大量の輸送隊をキャッチする「キャッチャーミット」と呼びました。パキスタンを除くと、アフガンのもう一つの友軍が使える港はイラクです。陸軍の指導者は同じ評価を期待していません。洗車場のような、他のより明らかではない利点はアフガンではすぐに利用できません。それは兵士が米軍の装備品と車両に乗って戻ってくる土壌やその他の物質に注意しなければいけないことを意味します。ほとんどの米軍の装備品はアメリカ本土に戻される前に洗浄し、調査されなければなりません。

 元イラク駐留米軍の副司令官、ケネス・ハンゼカー退役中将(Retired Lt. Gen. Kenneth Hunzeker)は、軍が北部配給ネットワークが部隊が移動する交通量の増加を支えられるかを調べなければならないと言いました。「我々は車線が速度を維持できるかを調べなければなりません」と現在、防衛企業「Exelis, Inc.」の副社長で、「ITT Exelis」の社長を務めるハンゼカー中将は言いました。


 記事の一部を紹介しました。

 パキスタンが補給路を再開するかどうかに関係なく、米軍は北部配給ネットワークを開設する必要があります。なぜなら、パキスタン補給路の閉鎖が長引いたり、別の事件が起きてまた閉鎖された場合に備える必要があるからです。現在の補給路の閉鎖はその内に終わるでしょうが、新しい事件が起きないとは誰にも言えません。米軍としては、何があっても予定通りに撤退する必要があるのです。

 こんな風に戦争では予想外のコストがかかってくるものです。最も幸運だった場合から最悪の場合までを考え、準備を進めなければなりません。

 記事に書いていないため、北部配給ネットワークの詳細は不明です。トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンなどの国まで陸路で移動し、そこから陸路か空路でヨーロッパの基地まで戻り、そこから帰国する形になります。トルクメニスタンならカスピ海を経由して近道ができそうですが、他の国は長い距離を鉄道で運ぶか、飛行機に乗せることになります。


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