1段機体分離失敗説が有力に
globalsecurity.orgによれば、北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command)は、初期解析として1段機体がソウルの西102.5マイル(約165km)の海上に墜落し、他2つの機体は作動しなかったと想定されると声明を出しました。
時事通信によれば、韓国国防省がさらに詳しい情報を発表しています。打ち上げ時刻は午前7時38分55秒。2分15秒後の同41分10秒に北朝鮮の西方沖の高度71キロで、機体は2つに分解。爆発が起きたと推定。1段機体の切り離しとの前後関係は不明。2つの物体はそのまま上昇し、白翎島(ペクリョン島)上空で高度151kmに達した後、降下を開始。降下中にもそれぞれが爆発しました。下降中の爆発は北朝鮮が地上からの遠隔操作で爆破させた可能性も考えられます。2つの物体の片方が17個前後の破片に散らばって、同47分42秒に海上に落下。もう一方の物体は3個に分かれ、同48分02秒に着水。
聯合ニュースが、韓国国防部の金寛鎮(キム・グァンジン)長官が13日に、韓国が数年以内に独自のミサイル迎撃システムを開発すると延べ、「下層防衛能力を保有するための開発を実施している。数年内に開発する」としたと報じました。
NORADの1段機体が単独で墜落したというのは、これまでの情報とはまったく違う内容ですし、1段機体と2段機体が一緒に墜落したという話はまったく違っていたようです。ここで出てきた韓国国防部の見解は重要です。これでかなり状況が分かってきたという気がしました。やはり打ち上げ後1分で分解という情報は不正確だったのです。
打ち上げ後2分15秒後で機体が2個に分離したのなら、それは1段機体を切り離した可能性もあります。チャールズ・ビック氏の推定では、1段機体は約2分間エンジンを噴射します。噴射を終えた直後に切り離しが行われ、2段機体に点火します。2分15秒後という数字は、このタイミングにほぼ一致します。しかし、分離したものの、分離が遅かったとか、2段機体が点火しないなどの問題が生じ、正常な飛行は困難になりました。1段機体と2段機体は慣性でそのまま上昇を続けた後、降下を開始したと考えられないでしょうか。17個に分解したのは1段機体で、3個に別れたのは、2段機体から上の部分で、2段機体、3段機体、ペイロードと考えられます。1段機体は燃焼を終えているはずなので、燃料が爆発することは考えにくく、地上から自爆させた可能性があります。2段機体から上を爆破できなかった理由は分かりません。
韓国の迎撃システムの話は北朝鮮にとって、大きな教訓になるでしょう。このように、軍拡をすれば、相手も軍拡で応じるという具合に、軍備は強化されていくものなのです。資金に余裕がない北朝鮮は、新兵器を開発するよりも、従来の兵器だけ持っていた方が実は得策だと言えます。この単純なゲームセオリーが理解できないところに、北朝鮮の問題があります。
以上の記事を書いた後で、打ち上げ後81秒後に光が観測されたと北海道新聞が書いていることを知りました。これは誰が観測したものかは不明です。これが爆発説の根拠なのかも知れません。この光に関する情報にも注目していきます。
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