テポドン2号:切り離し失敗後に自爆が最有力か
昨日書いた推定をさらに見直してみました。朝鮮日報に防衛省の発表よりも数段詳しいテポドン2号の打ち上げと墜落の経緯が載っています。高度700kmは明らかに桁が違うので修正しました。
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時 刻 |
詳 細 |
1 |
7時38分55秒 |
テポドン2号打ち上げ。 |
2 |
7時39分49秒(+54秒) |
世宗大王が機体を探知。 |
3 |
7時41分10秒(+135秒) |
最初の爆発。機体が2つに分離。東倉里南70km上空。 |
4 |
7時42分55秒(+240秒) |
白翎島(ペクリョン島)上空を通過。高度151.4km、マッハ4.4。 |
5 |
7時47分42秒(+527秒) |
A分離体(1段機体と推定)が17個に分離。落下中にレーダーから消える。 |
6 |
7時48分02秒(+547秒) |
B分離体(2段機体と推定)が3個に分離。落下中にレーダーから消える。 |
白翎島上空での速度は通常のロケットの速度よりもかなり低いので、この時点でロケットが正常に飛んでいたとは考えられません。
「3」の段階で起きた爆発は、自爆と言うより、1段機体の切り離しの爆発のように思われます。「5」と「6」でさらに起きた爆発が自爆でしょう。「5」の1段機体はすでに燃料が涸渇していたはずで、機体をバラバラにするほどの爆発が起きるはずはありません。「6」の2段機体が3段機体とペイロードを含まないものならば、2段機体は燃料は爆発したか、地上から自爆させたものと考えられます。
こう考えると、1段機体の切り離し後に2段機体が点火せず、墜落したと考えた方がよさそうです。1段機体は動作したものの、正常に飛行せず、2段機体の点火も失敗したということは、このロケットが人工衛星の投入に成功するには道は遠いということです。これは日本にとって幸いです。
残る疑問は、北朝鮮が平壌のプレスセンターに集まった記者たちが打ち上げの瞬間を見せなかったことです。わざわざ外国から記者を招待したのに、肝心の打ち上げを見せない意味はありません。それも普通なら現地で打ち上げを見せて「公開した」と言えるのに、別の場所で中継を見ろと言う訳です。しかも、何も見せられなかった訳で、記者たちは納得いかなかったでしょう。まるで失敗を予見しているかのような動きです。しかし、失敗すると彼らが分かっていたのなら、わざわざ外国人記者を招待するでしょうか。彼らの行動は支離滅裂で、通常の思考では理解ができません。
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