パキスタンで武装勢力が刑務所を襲撃

2012.4.16


 military.comによれば、先日のカブールでのテロ攻撃に続いて、パキスタンのパクトゥンクワ州(Pakhtunkhwa)、バヌー(Bannu)で、夜明け前に武装勢力100人以上が刑務所を襲撃し、警察が非常に危険な武装勢力とする20人を含んだ380人を逃がしました。

 刑務所の責任者、ザヒド・カーン(Zahid Khan)は、彼らが正門と2つの壁を破壊するために爆薬と手榴弾を使ったと言いました。「彼らは最新式の重火器を持っていました」「彼らはロケット砲を撃ちました」。建物に入ると、攻撃者たちはまっすぐに死刑囚がいる区域に真っ直ぐに進みました。彼らは看守と約2時間戦い、少なくとも20人の非常に危険なタリバン武装勢力を含んだ380人の収容者を逃がす前に、刑務所の一部に放火したと、警察官のサフィク・カーン(Shafique Khan)は言いました。

 警察本部長アクバル・ホティ(Akbar Hoti)は、武装勢力が刑務所当局の支援を得ていたと疑っていると言いました。「私は当局ができる対応をしなかったと考えます」「攻撃者が彼らの仲間についての正確な情報を得たのかも疑問です」。武装勢力は刑務所の別々の場所で仲間を自由にするために無線機を使って連絡をしていたと、逃げなかった囚人、アマーヌッラー・ハーン(Amanullah Khan)は言いました。「彼らは鍵やドアを壊すためにハンマーを持っていました」「それらを開けることができない時は、鍵を撃ちました」。武装勢力はムシャラフ前大統領を暗殺未遂事件に関与したために死刑囚棟にいたアドナン・ラシッド(Adnan Rashid)を逃がした時、「神は偉大なり」「タリバン万歳」と叫んだと、彼は言いました。

 バヌー刑務所は944人の収容者を擁していました。政府はこの刑務所をカイバル・パクトゥンカ(Khyber Pakhtunkhwa)で逮捕されたタリバン武装勢力を拘留するための主要施設として使っていたと、地元の長、バシル・バイオル(Bashir Bilour)は言いました。「彼らは以前は別々の刑務所にいましたが、しばらくの間、彼らはこの刑務所に移されていました」。彼は何人の武装戦士が解放されたかは明らかにしませんでした。彼は攻撃者が何人を開放したかは正確に知りませんでした。

 パキスタンのタリバン広報官、アシムラー・メスード(Asimullah Mehsud)は、約150人の武装勢力が解放されたと、北ワジキスタンの部族地域、ミール・マリ(Mir Ali)に到着したと言いました。


 北朝鮮のテポドン2号に関するニュースはほぼ出尽くしたようです。今日の午後に、破片の捜索が中止されるとのことでした。何とか、一部でも見つかり、捜索が延長されることを望みます。それ以外は、チャールズ・ビック氏のレポートが出るのを待っている感じですね。

 ロケット騒ぎの間にカブールでの襲撃事件が起こり、それは記事を紹介することができませんでした。しかし、継続的にタリバンは活発な活動を行っています。おまけにこの記事には刑務所側の犠牲者の数が書かれていません。内通が疑われていることもあり、犠牲者がいないか、極端に少なかった可能性があります。攻撃のやり方も周到に計画されていたことが窺えます。米軍がアフガニスタンで戦っても、パキスタンでタリバンは成長できます。この構造は何ら変わっていません。



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