米陸軍が歩兵分隊の装備変更を計画中
military.comによれば、十年間の戦争の後で、米陸軍は歩兵分隊を超軽量の機関銃から、小型の狙撃銃といった新世代の兵器で武装させて、より殺傷力を高めたいとしています。
このテストはジョージア州のフォート・ベニング基地(Fort Benning)にある「高等訓練センター(the Maneuver Center of Excellence)」で「能力基盤評価(Capabilities-Based Assessment: CBA)」の一部として行われています。CBAは昨年完了し、小部隊の活動において9人の歩兵分隊の能力を妨げる22件の能力の欠落を見出しました。これは兵士が大きな問題を持っていることは意味しないものの、改善する余地があると陸軍は言います。22件の欠落の詳細は明らかにしていませんが、それらは機動性、防護力、弾薬、バッテリーのような必要物資の重量配分、致死性に渡ると言います。
「致死性は懸念です」とベニング基地の装備部門のダニエル・バーネット大佐(Col. Daniel Barnett)は言いました。
陸軍はM110セミオートマチック狙撃システムの小型版を開発しようとしています。アフガニスタンとイラクで戦争がはじまってから、歩兵分隊はM4小銃の射程外にいる敵をさらに殺すことができるようになりました。分隊に配属された狙撃兵は最初にベトナム戦争時代の7.62mm弾を装填するM14ライフル銃を持っていました。これらは保管庫から引き出されて、様々な望遠照準器をつけていました。これはM14改良型戦闘ライフル銃へ置き換えられました。これは光学式やその他のハイテク射撃装備をつけるレールを備えたカスタムのアルミ製銃床を持っていました。この銃は800mを正確に撃てますが、弾を抜いた状態で15ポンド(6.8kg)の重量は重すぎます。敵がこれを持つ狙撃兵を簡単に見つけ、狙えるという問題もありました。「Knight's Armament Company」社のM110は、反動抑制器付きで46.5インチ(1,181.1mm)で、M4よりも13インチ(330.2mm)長いのですが、重さは8ポンド(3.62kg)を少し超えるだけです。「M110の小型版があるので、他の分隊員とさほど違って見えないでしょう」とバーネット大佐は言いました。
もう一つの新兵器は「Lightweight Small Arms Technology program: LAST」から生み出された分隊自動火器です。この兵器は通常の散弾銃の弾のように、火薬を銃弾を保持するために、真鍮ではなくプラスチックケースを使うテレスコープ弾を発射します。LASTの現バージョンは9.4ポンド(4.26kg)で、M249分隊自動火器は約17ポンド(7.7kg)です。LASTの弾薬は標準のベルト式5.56mm弾よりも37%以上軽量です。
記事は簡単に紹介しました。XM25に関する部分は完全に省略しています。
テレスコープ弾は、弾頭が薬莢部分に深く埋まっている省スペース型の銃弾のことです。
過去十年の経験を基に装備品を改良することは悪いことではありません。しかし、イラクやアフガンでの戦いが、今後、アフリカでも繰り返されるかどうかは疑問です。つまり、徒歩で行動し、待ち伏せ攻撃に備えるような戦いではなく、アフリカではヘリコプターで侵入し、目標を攻撃したら、またヘリコプターで離脱するような戦い方になるのではないかということです。その場合、装備品の変更はそれほど重要ではありませんし、ここで言う兵器は一般の歩兵部隊のものであって、比較的自由に装備品を選べる特殊部隊は対象ではありません。
米軍はこういう研究は盛んにやります。しかし、本当に研究すべきは戦略面であり、装備面はその次でも構わないでしょう。イラクやアフガンに介入するという、本当に愚かな戦略を採用することのないよう、よく歴史を勉強することです。この記事がいう研究は的外れではないものの、こうした努力は採用する戦略により一瞬で無意味になるものだからです。
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