爆弾処理隊は米軍縮小後も現状維持
military.comによれば、米軍はアフガニスタンから撤退した後も、現地での簡易爆弾(IED)の処理能力を維持します。
爆弾処理部隊(Explosive Ordnance Disposal)はイラクとアフガンで100,000個以上のIEDを処理しましたが、イグリン空軍基地(Eglin Air Force Base)のEOD記念館には111人の戦死者があります。
軍の計画立案者は、来年の撤退の準備と共に、多くのEOD兵が地雷、爆弾、航空機の残骸と航路上にある不発弾を処理する伝統的な役割に戻ると考えています。しかし、彼らはIEDとの戦いの能力を保持するだけでなく、拡張して欲しいと熱望しています。シリアで起きようとしている内戦と、イランが核爆弾を持とうとしているという中東での将来の見込みは、米兵が粗雑ながらも致命的な手製の爆弾と戦う可能性に気がついています。
海軍遠征戦闘コマンドの指揮官で海軍のEODを指揮するマイケル・ティロットソン海軍少将(Rear Adm. Michael Tillotson)は5月1日に、海軍が231の人員と8個EOD小隊を過去10年間に追加しており、1,670人のEOD兵を縮小する計画はないと言いました。「潜在的な米国の敵対者は、アメリカに対する反乱型の作戦が成功したことを学んできました」とティロットソン少将はいいました。「我々が未来に移行する時、国家ではないテロ組織がこれを発展させようとするでしょう。アメリカはIEDに対抗する能力を維持しなければなりません」。
近年では地雷処理活動に集中した海軍EOD小隊は4個だけでした。アフガン戦が終わったあと、海軍は小隊の数を12〜18個へ増やす予定だとティロットソン少将は言いました。彼は海軍が対応できないEODへの要求が起きると予測しています。
統合即製爆発物対策機関(The Joint IED Defeat Organization: JIEDDO)の広報官、ステファニー・ホルコンブ大佐(Col. Stephanie Holcombe)は、600個以上のIEDやその材料の隠し場所がイラクとアフガンにあり、それ以外の世界各地で毎月見つかっていると言いました。陸軍の対IED活動を監督する国防総省のリック・ラリー大佐(Col. Dick Larry)は、軍がEOD兵を10年で約3倍の900人から2,400人へ増やしたと言いました。陸軍は今後数年で80,000人を削減する計画ですが、EOD兵を減らす計画はありません。彼は兵士たちが射撃場の爆弾除去や警察の爆弾処理を助ける作業に戻るだろうと言いました。
空軍は1,300人のEOD兵を削減する計画はありませんが、現在の戦争では拡大もしませんでした。過去10年間で空軍はイラクで40,000件、アフガンで数千以上の任務を行いました。
重要な部分だけ紹介し、特に後半はすべて省略しました。
EOD部隊が対テロ戦の遺産ということになります。対テロ戦は21世紀型の戦争と誇らしげに叫んだブッシュ政権が残したのがこれです。なんと古くさいIEDが21世紀の戦争の主役なのです。
こういう武器は日本でも作ろうと思えば可能です。先日も、男子高校生が学校から化学薬品を盗んで爆弾を作ったという事件がありました。我々の身近にあるもので爆弾は作れます。しかし、それを組織的に用いようとする意図を持つ団体は、現代の日本では成立しにくいので、私たちは無事で済んでいます。それでも理屈の上では可能だという点は注意しなければなりませんし、日本人が海外に行った場合に下知で被害にあう危険も頭に置かなければなりません。
IEDの危険は世界の人々の間にある不信感が消える日まで続くと考えなければなりません。そのためには政治的な解決がとられる必要があります。IED対策は文字通り対策に過ぎないのです。
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