墜落したオスプレイの乗員2人が退院

2012.6.18


 military.comによれば、墜落したCV-22「オスプレイ」の乗員5人中の2人が病院から退院しました。

 水曜日の夜にオスプレイが墜落したときに負傷したブライアン・リュース少佐(Maj. Brian Luce)、クリストファー・ドーソン技術軍曹(Tech. Sgt. Christopher Dawson)は金曜日に、事故後に搬送されていたイグリン病院を退院しました。ブレット・キャシディー大尉(Capt. Brett Cassidy)、ショーン・マクマホン3等軍曹(Staff Sgt. Sean McMahon)、エディルバート・マラベ技術軍曹(Tech. Sgt. Edilberto Malave)は金曜日にペンサコラの聖心病院で安定した様態にありました。

 第1特殊作戦航空団のオスプレイは水曜日の午後6時45分にエグリン基地(Eglin Air Force Base・kmzファイルはこちら)のA-78射爆場で墜落し、出火しました。リュース少佐は2010年にアフガニスタンで墜落したオスプレイの副操縦士でした。

 スターズ・アンド・ストライプス紙の事故に関する報道から一部を紹介します(記事はこちら)。

 事故機は当時、射撃訓練中で2機編隊でした。戦闘機が射撃編隊で旋回した時、僚機が背後に見えなかったので、捜索を開始し、射撃場内に墜落していることを確認しました。機体は燃えましたが、全焼していません。機体は回収できるとしても、かなりの損傷を受けています。2010年4月のアフガンでの墜落では、軍人3人と民間請負業者1人が死亡しています(負傷者は16人)。


 文中の「技術軍曹」は陸軍の2等軍曹に相当する階級です。

 Google Earthを使ってエグリン基地のkmzファイルを開いてみてください。基地の北西部に広大な演習場が広がっているのが見えます。A-78射爆場の位置までは分かりませんが、演習場の中央部に、北東から南西にかけて広がる空き地のどこかであるはずです。この空き地は人工的に作られ、連絡用の道路で基地とつながっています。滑走路を離陸した軍用機はこの演習場を大きく旋回しながら標的に向けて射撃や爆撃を行うのです。東西に約40km、南北に約25kmの敷地に、滑走路が何本もあるという、日本では考えられない規模の演習場です。

 事故の状況は分からないものの、通常の飛行中に急に墜落したようです。僚機が墜落したことに気がつかなかったのは、緊急連絡ができないほど急速に墜落したことを連想させます。リュース少佐が過去の事故の関係者であることが,事故にどう関係しているかは不明です。前の事故は作戦行動中に、悪条件の中で起こりました。多分、高度は低く、それが被害を軽くしたのでしょう。一時、隊員1人が重体との報道もありましたが、それほど酷くはないようです。旋回中だったことが事故に関係があるかどうかが気になっています。片側のローターの揚力が急に失われたのかも知れません。これがもし沖縄で起きたら、と考えると戦慄します。



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