米海軍が性的暴行防止に躍起
military.comが米海軍の性的暴行防止への取り組みについて報じています。重要な部分を要約します。
強襲揚陸艦バターン(USS Bataan)で行われた2時間の講義では、性的暴行の被害者を知っていると答えた隊員が3分の1いました。
場所に関係なく、海軍内のほとんどの性的暴行は夜間に飲酒したあとで起こり、当局者はそれらの多くは誰かが連鎖を止めるために声を出すことで防げると言います。焦点は海軍内での大幅な文化的シフトにほかなりません。海軍では男女が狭い場所で働き、数ヶ月洋上にいたあとで外国の港で酒を飲みに出かけます。
海軍は何年にもわたり、毎日2〜3件の性的暴行の報告を受けています。2011年には、610件の性的暴行の報告がありました。それは前年よりも1件少ない数字です。
国防総省は性的暴行の86%が未報告だと見積もります。性的暴行を報告することが軍歴に与える効果を心配する者がおり、軍の起訴システムに対する不信を示しているかも知れません。
国防総省は最近、各軍が特別に訓練された捜査官、検察官、目撃者支援要員が事件を処理する能力をもつ特別被害者部隊を持つ計画を発表しました。それは証拠収集、尋問、軍事裁判の手続きを支援することが目的です。主導権の一部として、高レベルの指揮系統は最も重大な性的暴行に対処します。海軍ではそれは艦長レベルの者を意味し、木曜日に実施されます。指揮官たちは性的暴行責任を負い、説明責任を負います。
海軍は4月にすべての水兵に2時間の性的暴行認識訓練を受けることを要求しました。
米海軍が駐留する日本にとって、彼らの性犯罪について知ることは意味があります。毎日2〜3件も事件が起きていて、これは全体の14%に過ぎないと知れば、日本社会は米軍人の犯罪にもっと目を光らせるべきだと言えます。
海軍の取り組みに期待が持てないのは、訳さなかったものの、記事の中に性的暴行は話したくない話題だという記述が繰り返し出てきたことです。関心の低さが事件を生んでいるのは明白です。2時間の訓練で克服できる話とは思えません。
先日紹介したように、同性愛者へのいやがらせ・いじめ事件が起きるのも無関心が原因と思います。訓練は意識の高い隊員には有効でも、すでに強い偏見を持っている者にはあまり効果を生まないと考えられます。
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