シリア反政府派がヒット・エンド・ラン戦術を採用
military.comの記事からシリアの反政府派がヒット・エンド・ラン戦術を用いていることが分かりました。
金曜日に政府軍はダマスカス南部のミダン(Midan)の支配を奪還し、それを証明するために記者たちをツアーへ連れて行きました。しかし、反政府軍はいくつかの別の地区で新しい戦闘を始めました。国営テレビは、ミダンの掃討を終え、機関銃、爆発ベルト、RPG、通信機を含む大量の兵器を押収したと発表しました。スカイプで連絡を取る反政府派のカリド・アル・シャミ(Khaled al-Shami)は、民間人への砲撃を避けるために金曜日早くに戦術的な撤退を行ったと言いました。政府は金曜日に、地元記者を装甲車両2台でミダンへ連れて行きました。反政府派は金曜日に首都の他の場所で攻撃を続けました。ハリド・ビン・ワリド通り(Khaled bin Waleed Street)の警察本部(kmzファイルはこちら)が攻撃され、戦闘が続いています。衝突はバルゼ(Barzeh)とラナディン(Rukneddine)の両地区で報告されましたが、詳細は不明です。活動家のバシル・アル・デマシュキ(Bashir al-Dimashqi)は、ダマスカスの反政府派はヒット・エンド・ラン攻撃を行い、地域を支配するのではなく、治安上の目標を攻撃していると言いました。「彼らの戦略は公共機関を麻痺させ、政権を少しずつ破壊することです」。
より細かい土地の場所を確認するには、Google EarthよりWikimapiaを使うのが便利です。記事中の地名を検索すると、かなりの確率で表示されます。
攻撃された警察本部からハリド・ビン・ワリド通りを南へ1km程度来たところから南側がミダン地区です。敵が戦場に集中すると、反政府派は逃げ、別の場所で戦闘を始めるという話は本当のように思われます。Wikimapiaで見ると、ダマスカスは軍の基地だらけで、特に南部に集中していることが分かります。このような環境の中で反政府派が自由に市内を移動しているという事実は、シリア軍内にすでに相当な離反者が出ていると考えるべきで、部隊単位で反政府派に合流しているのではないかと思いたくなります。
テレビ朝日が、シリアの国営テレビがアサド大統領が軍幹部に反体制派の掃討を指示している様子などを伝えたと報じていますが、音声が入っていたかどうかは書いてありません。この種の映像はすでに何度も撮影されているはずで、現状に即したことを話す肉声がない限りは信じられません。2回とも音声なしの映像だったとすれば、アサド大統領はすでに首都の西、標高約900mの場所にある堅固な大統領宮殿の中にはいないと考えるべきです。
この内乱が解決するには、まだかなりの時間がかかりそうです。
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