シリアから軍人85人が亡命の意味

2012.7.4


 military.comが、トルコにシリア軍兵士85人が亡命した件について、詳細を報じました。

 亡命したのは将官1人、将校14人(大佐1人、中佐1人、少佐4人、大尉7人、中尉1人)を含む軍人85人で、200人以上の家族と一緒でした。

 将官はシリア砲兵師団の出身者でした。ファイナンシャルタイムスは、武装勢力、自由シリア軍(Free Syrian Army)の言として、将官は亡命した将官は非通常兵器に関係していると報じましたが、前記の将官と同じかは明らかでありません。

 数字中に氏名が公表されるとみられる将官は、先月辞職し、トルコに密入国するまで隠れていたとファイナンシャルタイムスは言いました。

 トルコは発足11ヶ月の自由シリア軍にトルコ領内からシリアに軍事行動を行うことを許しています。


 記事は一部省略しました。

 国内報道は情報が不十分で、問題の重要性を伝えきっていません。亡命した民間人の中に軍人が隠れていたのではなく、軍人が家族と共に一斉に亡命したのです。さらに、シリア軍の重要人物が亡命し、反政府勢力に合流しようとしています。これはシリア軍の内部崩壊が一層進んでいることを思わせる重要な情報です。

 トルコにシリアの反政府勢力の拠点ができていることに対し、シリアが先制攻撃をする可能性については検討する必要がありますが、反政府勢力が場所を捕捉されない限りは大丈夫でしょう。中途半端な攻撃でトルコの反撃を招けば、反政府勢力を勢いづかせます。トルコはNATO加盟国でもあり、トルコに対する攻撃はNATO加盟国への攻撃とみなされます。シリア軍は最高潮に緊張した状態にある訳です。

 シリアの崩壊が目の前まで来ている可能性があります。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.