米軍がIED対策に効果ありと宣言

2012.7.9


 military.comによれば、アフガニスタンで米軍は昨年、IEDに対して小さいながらも重要な勝利を成し遂げました。

 統合即製爆発物対策機関(The Joint IED Defeat Organization)のマイケル・バルベロ中将(Lt. Gen. Michael Barbero)によると、今年最初の3ヶ月で、標的を攻撃した爆弾は5%だけでした。Icasualties.orgによると、1年前の同時期の10~12%から下落しまた。2010年には368人だったIEDによる死者の数は2011年に252人に減りました。当局は犠牲者を生む爆弾の率は、NATO軍がタリバンの支配地域を攻撃した4月~6月までに僅かに上昇したと認めます。しかし、今年は総計162人のIEDの死者よりも遙かに少ない77人で、過去3年間よりも順調です。バルベロ中将は監視塔とカメラをたくさんつけた航空機のような情報収集機材、指揮官に力をつけるその他の探知技術が頻繁に使うルートに接近した時に爆弾をみつけ、爆発物が埋められた最近掘られた場所の印を明らかにできるようにしました。米軍は爆弾を埋めたり、爆弾を積んだ高速の車で基地に近づこうとするタリバンを見つけるために辛抱強く監視できるようにする監視等と気球を導入しました。「(脅威を)見つけられて、対応できるので、どの指揮官も我々にこれらが気に入ったと言います」。

 訓練は2番目の主要素です。兵士にカメラがついた、壁の向こうに投げられる遠隔操作ロボットのような機材の使い方を教えること、斜面に問題がないかをチェックし、地域に爆弾が埋められた徴候がないかを調べること。爆発物対策機関は昨年、特に歩兵のパトロールを助ける装備に集中しました。多くの兵士が手足を失っているからです。彼らは道路に隠された爆弾を探すウィンドウォッシャの竿に似たポールをたくさん実戦配備しました。

 しかし、アフガンからの撤退が進むと、少数の特殊部隊と諜報チームは空に配置されたセンサーに依存します。これは議会で問題視されており、情報機材を強化することで相殺するとの意見が出ています。

 さらにパキスタンで肥料が爆弾に作り替えられる問題があります。パキスタン当局者はパキスタン製の肥料のごくわずかが爆弾に転用されると言います。バルベロ中将によると、アフガンのIEDの86%がパキスタン製肥料の硝酸アンモニウムから作られています。彼は国際農薬業界に、硝酸アンモニウムを追跡可能にすること、起爆しない製造方法を開発することを訴えていますが、2年間の訴えに対して、誰も答えを見つけていません。


 記事の後半は簡単に紹介しました。

 IEDによる被害が減ったのは、NATO軍の軍事活動の変化のためかも知れません。カンダハルでの攻勢が失敗したあと、パトロールよりも特殊部隊の夜襲を中心にしたため、兵士がIEDに遭遇する機会は減ったはずです。ヘリコプターで現場近くに降下し、またヘリコプターで帰るので、IEDにはあまり出会いません。 結局、統合即製爆発物対策機関は大した成果はあげられなかったのだと思います。

 硝酸アンモニウムの製法の問題は、もっと早くに提起できたはずです。2年前からというのは意外でした。



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