シリア各地で戦闘が継続も、情勢は不明
アルジャジーラによれば、シリアのアレッポ東部でシリア軍がアル・シャール地区(al-Shaar)とハナヌ地区(Hananu)を砲撃し、北部のサラハディン地区(Salaheddin)の近くで衝突が報告されました。今週はじめ、反政府派はサラハディン地区から撤退を余儀なくされましたが、反政府派はこの地区で政府軍への攻撃を続けていると言います。
自由シリア軍は北部のカフランベル市(Kafranbel)を支配していることも報告されました。ダマスカス州(Damascus province)シリア国営通信社は日曜日にアリ・アッバス記者(Ali Abbas)がジダイデッド・アートウズ地区(the Jdaidet Artouz)の自宅で暗殺されたと言いました。報道は武装したテログループを非難しましたが、詳細は公表されませんでした。
ダマスカスでは、カダム地区(Qadam)の周辺で銃火が報告され、政府軍はカバル・アタカ地区(Qabr Aatka district)で急襲と逮捕を行いました。
政府軍は土曜日にホムス(Homs)のアル・シャマス地区(al-Shamas)へ大規模な侵攻を続けました。反政府派はシャマスで大規模な処刑が行われたと主張しましたが、独自に確認されていません。
日曜日に南部のデラー(Deraa)の反政府派は、タァファス(Tafas)の中に戦車が配置され、背後に断続的な砲撃の音がある映像を公表しました。彼らは大虐殺を恐れると言いました。
北部のイデリブ(Idlib)では、土曜日に政府軍と反政府派が衝突した時に大勢が殺されたと伝えられました。
各地での戦闘レポートが断片的に入ってきており、政府軍が優勢にも見えますが、これらの情報からどちらが優勢かを判断するのは不可能です。情勢は不透明で、どちらが優勢かは今日は言えません。
クリントン国務長官が飛行禁止区域の設定に言及しました。そのためには国連安保理での採決が必要です。ロシアと中国が拒否権を行使し、可決されません。それを承知でも、アサド政権に空軍の使用を控えろと圧力をかける意味はあります。トルコへ行き、反政府派の援助を強化する話し合いをしているのも同じです。これだけですぐに結果が出るわけではありません。アメリカはロシアと中国という障壁に注意しながら、できることを探っているのです。
政府軍が反政府派を崩壊させることは難しそうですし、反政府派が政府軍を殲滅することはさらに困難です。外国からの強い支援がない限り、反政府派は勝利しないでしょう。しかし、リビアの場合と違い、空爆は行えそうにありません。当面は小火器と迫撃砲、地対空ミサイルのような兵器の提供に留まるでしょうが、シリア軍の弾薬庫を破壊するために高性能爆薬なども提供されるようになるかも知れません。あるいは装甲車を撃ち抜く大口径ライフル銃は費用対効果が高いでしょう。さらに、反政府派に高額の支援金が得られるのなら、民間軍事会社の活用が始まるかも知れません。武装ヘリコプター程度の兵器が反政府派に参加する可能性はあります。
まだシリア軍からの大量離脱は起きていないようです。一部の将校と兵士が離脱したのみです。彼らの士気がどうなっているのかが気になるところです。
先日、身内で不幸があったと書きましたが、父親が亡くなりました。しかし、父の死は一人の死であり、シリアでは比べものにならないくらいの大勢が死んでいます。今日からはいつものように記事の更新を続けられるので、シリア情勢については注目していこうと思います。
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