米国務長官がロシアのシリア和平案を拒否

2012.9.10


 BBCによれば、ヒラリー・クリントン国務長官(Secretary of State Hillary Clinton)は、シリアに関するロシアの強制力のない新たな国連決議を拒否しました。

 ロシアは6月にジュネーブで、国連安保理に停戦と政治的移行を要請する和平プランの承認を求めると言います。しかし、クリントン国務長官は因果関係のない決議はアサド大統領に無視されるだろうと言いました。

 一方、シリア国営テレビは政府軍がダマスカス南部の反政府派が支配する地域を制圧するところを放映しました。また、映像は住民が政府軍と政権の支持を叫んで歓迎するのも放映しました。

 レバノンにいるBBCのジム・ムーア(Jim Muir)は、ダマスカスとその近郊の戦いは、約2ヶ月の間進行中で、政府軍が前進した後に反政府派がまた現れていると言います。彼は政府軍が激しく砲爆撃しているアレッポのいくつかの拠点は、反政府派を排除できていないと付け加えました。

エイベックスでセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergei Lavrov)とウラジーミル・プーチン大統領(President Vladimir Putin)と会った後で、「我々は現実的でなければなりません。我々は続くかもしれないことを真剣に考えなければなりません」と言いました。「強制力のない決議を通すのは意味がありません。我々はアサドが決議を無視し、自国民への攻撃を続けるのを繰り返し見ているからです」「我々が国連決議のなかでこの夏に合意したシリアの移行計画をシリアに行うことを再考できるかを考えるために、私はラブロフ外相との活動を続けます」「しかし、私が昨日理解したところでは、決議によって従わない時に必然的な結果を伴う場合だけに有効です」。

 国務長官は相違が残るなら、アメリカは、アサド退陣を推し進め、民主的な未来を準備と再建を助けるために、シリア反政府派を支援することで同じ考えの国と活動するだろうと言いました。


 記事は一部省略しました。

 相変わらず、シリア政府の大本営発表が続いていることが分かります。反政府派が広報官を置いていないので、戦況は正確には分かりません。リビアの場合と違って、記者たちが集めた断片的な情報しか、我々外国人には手に入りません。どちらが勝っているのかは、厳密には分かりません。

 クリントン国務長官がロシアの提案を却下したのは当然で、アサド政権が承諾するはずのない決議を承認して時間をつぶす暇はないということです。ロシアが意味のない提案を出してくるパターンは、これまで何度も繰り返されてきたことです。湾岸戦争の際にも、似たようなことがありました。フセイン政権はソ連(当時)の和平提案を受け入れませんでした。いまやっても同じ結果になるだけです。



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