米大使殺害でロムニーが失言

2012.9.15


 military.comによれば、共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)とバラク・オバマ大統領がリビアでの外交団に対する攻撃の対応に関して、激しく言葉を交わしました。
 
 ロムニーはオバマ政権が攻撃に対して弱さを示したと訴えました。ロムニーはカイロの米大使館からの初期の声明を、恥ずべきで、謝罪も同然と一蹴しました。後に「米政府がアメリカ人への攻撃を批判し、我々の価値観を守るためにはいくら早くてもよい」と付け加えました。

 しかし、大使館の声明は抗議者たちが大使館の壁を突破する前に出され、謝罪ではなく、信仰への寛容と敬意についてのアメリカの方針の確認でした。ロムニーの数分前のクリントン国務長官の声明は、リビアでの攻撃を非難し、こうした暴力的行為に正当性がないとしたものでした。

 オバマ大統領はローズガーデンで攻撃を批判する地味な声明を出し、海外の外交拠点に海兵隊を追加派遣する計画を発表しました。その日のCBSニュース「60 Minutes」で、オバマ大統領はこのエピソードがロムニーの「狙う前に撃つ傾向」を表していると言いました。「それはロムニー知事が事実を正しく掴んでいなかったことを示しています」。その夜、ラスベガスでの集会で、オバマ大統領は全世界に対するメッセージを持っていると言いました。「テロ行為は我々が全世界に放つ価値観を弱めることはありません。暴力行為はアメリカ合衆国の決断を揺るがしません」。

 ロムニーは水曜日に、まだスティーブンズ大使が死んだことが確認されていない火曜日夜に行った批判について正当性を主張しました。大使の死を知っていたら、そう言ったかと尋ねられると、彼は「私は何が分かっていて、どうなるかについて仮定したくありません」と言いました。

 ロムニーの説明はカイロでの事件と完全に食い違いました。彼が謝罪同然と言及した声明は火曜日正午、職員がまだ平和的なデモ行進が近くで行われていることに気がついた時に、カイロの大使館から出されました。群衆が施設の壁を突破して、米国旗を燃やそうとしたのは4~5時間後でした。「我々はすべての信者や信仰を傷つける活動を避難しますから、カイロの米国大使館はイスラム教の信仰心を傷つけられたと謝って導かれた人たちによって続けられた活動を避難しました」と大使館は言い、信仰の自由はアメリカの民主主義の基礎であると指摘しました、

 ロムニーは、ワシントンの高官が明確にしなかったと言い、ホワイトハウスが後で自ら声明から距離を置いたと付け加えました。「それは彼らが混然としたシグナルを世界に送っていることを反映しています」と彼は言いました、

 オバマ大統領は「60 Minutes」で、大使館は状況を沈静化しようとし、危険が迫っているかも知れない場にいた人たちから発表されたたのだと言いました。「快適な選挙運動のオフィスから彼らの判断に疑問を抱こうとするよりは、その状況下にいる人たちに手を抜かせないようにすることが私の傾向です」。大統領として、彼は、あなたが結論を出す前に、事実によって裏付けがとれること、結果を通して考えることを確実にすることが大統領として重要なのだと付け加えました。


 記事は一部を紹介しました。

 このやりとりは国内でも報じられていますが、私はアメリカ人なら、これくらいロムニーがヘボだと、自分が仮に共和党員だったとしても、彼に投票する気はなくなるでしょう。政治家として、国家元首として、どのタイミングで事実を見極め、どういう判断をして、どう発言し、どう行動するかはきわめて重要です。ロムニーはそれが分かっていません。こういう事件は現職に有利に働くものです。同時多発テロが起きた時にブッシュ大統領の支持率が上がったのと同じで、間違った判断をしたとしても、国民は外敵に対して団結しなければならないと感じ、そう行動するのです。よって、挑戦者は注意して発言し、自身を有利に運ぶ必要があるのですが、ロムニーはとにかくぶち上げれば何とかなると考えたようです。これでは、ブッシュ大統領がやった失敗を繰り返しかねません。

 事態はロムニーの想像力を超えて発展しつつあり、礼拝がある金曜日には多くのイスラム国で抗議運動が行われました。ここはイスラム教とキリスト教を対立させようとする者がいることを強調し、事態の沈静化を図るべきです。まず、アメリカ国内では問題の映画の内容とそれを制作した者たちを調査し、それを公表すべきです。さらに、リビア大使館を襲撃した者たちの背後関係を公表しなければなりません。私はこの事件の背後にアルカイダがいるという見方は、アメリカの自意識過剰と思っています。これはアメリカにとってひどく都合がよい考え方だからです。大使を殺害した者たちは武装勢力ではあっても、単に映画に対して反発した者たちかも知れません。これは慎重に調査されるべきことです。


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