米大使殺害でリビアとアメリカの食い違い
BBCによれば、リビアはベンガジの米領事館の攻撃に関係する約50人を逮捕したと、暫定議会のモハメッド・マガリエフ議長(Mohamed Magarief)はCBSニュースに言いました。
マガリエフ議長は攻撃が事前に計画されたことに疑いはないと言いました。これはスーザン・ライス国連特使が証拠は自然発生的な抗議の一部だったとABCニュースに述べたのと矛盾するように見えます。
マガリエフ議長は逮捕者の何人かは外国人だったと言いました。「明らかに計画され、数ヶ月前に入国した外国人によって計画され、彼らは到着以来、犯罪行為を計画していました」。彼は容疑者がアルカイダに関係があるか、傘下組織か支持者だろうと言いました。「我々はこれらの犯人の本当の意図が何かは分かりません」「彼らは異なる方向からリビアに入りました。彼らの一部は間違いなくマリとアルジェリアから来ました」。アラビア半島のアルカイダは声明で、この攻撃がアブ・ヤヒヤ・アル・リビ(Abu Yahya al-Libi)殺害への報復だと言いました。リビは6月にアフガン国境地帯の北ワジキスタンでアメリカの無人攻撃機によって殺されたリビア生まれのアルカイダ指揮官です。
一方で、ライス特使は現在の最良の評価は、計画的ではなく、カイロでの抗議に自然発生的な反応として始まったということだと言いました。「それが拡大して、重火器を持ってきた過激派の特定の集団によって、乗っ取られたようです。御存知の通り、武器はリビアの革命の結果、極めて一般的で入手できるようになり、そこから来たのです」。
一方、騒動の発端となった映画に関係した男がアメリカで警察の尋問を受けました。ナクラ・バセレイ・ナクラ(Nakoula Basseley Nakoula)は映画に関与したことを認めましたが、捜査員は彼が映像を投稿した「sambacile」というインターネットユーザーかを明らかにしようとしています。ナクラは2011年6月に許可なく、別名を使ってインターネットを使わないという条件の下で執行猶予付きの保釈を受けました。彼は尋問の後で釈放され、姿をくらましたかも知れないとAP通信は報じました。
記事は一部を紹介しました。
マガリエフ議長の主張は内容が整いすぎている点が気になります。その一方で、犯人の意図は不明だというのでは、十分に尋問が行われていない段階での発言との疑いを持ちます。米大使が自国内で殺されたことに動揺して、アメリカが喜びそうなことを口にしたようにも見えます。リビアに外国の武装勢力が入り込んでいても不思議ではありません。
ライス国連特使の見解は、私の見立てと同じようで、驚かされました。こういう見解が米政府内にあることで安心させられます。9/11の記念日を狙ったテロ攻撃として、偶然に起きたイスラム教冒涜事件を利用することはありません。こうした予測できない事件とは別に、計画され、実行されるものです。
アルカイダの声明は現段階では、まったく信用できません。事件に乗っかっているだけという疑いが残ります。殺害の方法は、大使を直接狙わず、家屋にRPGを撃ったら火災になったというだけです。暗殺を最初から狙っていたのなら、大使を直接狙ったはずです。たとえば、大使が乗った車がよく通る道に爆弾を仕掛けるといった方法が一般的です。
ナクラの執行猶予がまだ有効なら、映画をインターネットに投稿した疑いが出た段階で身柄を拘束してよいと思われるのですが、なぜ釈放してしまったのか分かりません。彼が姿をくらますのは当然です。自宅にいればマスコミが押し寄せるでしょうし、さらなる逮捕も考えられます。
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