カタールがシリアへ武力介入を示唆
産経新聞によれば、カタールのハマド首長は25日、国連総会一般討論で演説し、シリア内戦終結のために、アラブ諸国による軍事介入の必要性を訴えました。
ハマド首長は「人道・政治的観点からアラブ諸国が軍事介入し、流血の事態を止めるため必要な策を講じた方がいい」などと主張しました。
これは思いつきませんでした。中東諸国による介入は、シリア内乱を終わらせるために最も効果的な方法かも知れません。NATO軍が介入するよりは、遙かに悪影響が少ない方法です。
これは先日、アサド大統領が記者たちに中東諸国の悪口を述べたことへのお返しかも知れません。(関連記事はこちら)
考え方は悪くなくても、具体的な策が立てられなければ意味がありません。方法としては、イラクの協力を得て、イラクからシリア南東部へ侵入する方法が現実的です。
シリアの首都に最も近いヨルダンは、軍事介入には慎重かも知れません。シリアは必死でヨルダン国内へ攻撃を行い、国民に多くの被害を出しそうだからです。武力介入の中心になりそうなカタールやサウジアラビアがイラク西部に拠点を設け、国境を越えてシリアに入ることは十分に現実的です。シリア国境から100km程度のところに、イラク空軍基地があり、こうした場所は拠点となり得ます。シリアがイラクに大きなダメージを与えるのは難しく、イラクが協力する可能性は十分にあります。
しかし、シリアの化学兵器が使われる恐れがあることは、この案をためらわせる十分な理由です。それでも、シリア軍が弱体化し、シリア政府の財政が傾いたタイミングで介入すれば、シリア軍からの造反を期待できるかも知れません。実行するかどうかは別として、すでに準備ははじめているはずです。トルコ領内で訓練を受けている自由シリア軍は、この作戦でも活躍する能力を持っているはずです。まずは、自由シリア軍の誘導で空爆を行うことです。戦車や火砲の重火器と空軍の航空機を破壊すれば、自由シリア軍にかなりの支援となります。
|