シリア反政府派の武器工場レポート

2013.1.1


 alarabiya.netが、シリアの反政府派が工夫して武器を調達している様子を報じました。簡単に要約して紹介します。

 反政府派は旋盤を使い、硝酸カリウムと砂糖を材料に自家製の迫撃砲弾を作っています。反政府派はアサド大統領を倒すための重火器を提供して欲しいという要請に回答がないので、自家製兵器を作らざるを得ないと言います。

 インターネットを使い、約7人の作業所は粗雑な武器を作ろうとしています。政府軍が発砲し、爆発しなかったロケット弾からTNT火薬を取り出しています。この迫撃砲は3.5mの大きさのクレーターを生じ、約6kmの射程を持つといいます。

 BBCは、この兵器の成功率は疑問だと言います。2人の男はこの迫撃砲が目標の80〜90%に命中するといいますが、迫撃砲は起爆しなかったり、暴発したりします。それを防ぐために、彼らは爆薬が湿気を吸収するように、推進剤をゆっくりと混ぜ合わせる方法を発見したと言います。アレッポで、反政府派は自動車の車軸で作られた台の上に置いた自家製のチューブから迫撃砲を発射しました。

 彼らは政府軍から捕獲した、ギアボックスが壊れたT-72戦車を修理しようとしていましたが、男は鉄くずの塊で役に立たないと言いました。


 本来なら新春の挨拶などを書くべきですが、今年はシリア内戦が続いていて、そういう気にはなれません。

 この迫撃砲では、ほとんど狙いはつかないと思います。火薬は学生の科学実験レベルです。言うまでもなく、同じ量、同じ質の火薬で砲弾を作らないと、弾道は一定しないものです。それでも、敵を驚かせ、動きを止め、低レベルの損害を出すことは可能です。煙も大量に出すはずで、むしろ仕掛け爆弾として用いた方が効果はあるでしょう。

 こうした自家製武器は、ゲリラ戦や内戦でよく使われます。市街戦では正規軍も自家製の武器を使うことがあります。

 80mm級の迫撃砲なら、反政府軍に提供しても、テロ組織に利用されるほどにはならないと思います。提供先を自由シリア軍に限定する方法で、そういう危険を最小限にできるかを検討すべきです。まともな迫撃砲なら、狙いは正確で、別の場所に照準を合わせ直すことも可能ですから、戦いを有利に進められます。つまり、政府軍の部隊にであったら、交戦して相手を釘付けにして、攻撃すべき座標を迫撃砲部隊に連絡し、政府軍の頭上に砲弾を落とすという、標準的な戦術が使えるようになるのです。


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