韓国軍がテポドン2号1段機体の回収に成功

2013.1.1


 朝鮮日報が、テポドン2号(銀河3号)の1段機体を韓国海軍が引き揚げた件について報じています。

 1段機体は全羅北道群山市から西方160kmの水深85〜88mに散乱していました。水中の圧力は約10気圧まで上がり、約70〜80トンの圧力が潜水士にかかりました。海難救助隊所属の深海潜水士6人は水圧に体を慣らすため、潜水3時間前から潜水艦救難艦「清海鎮」の加圧チャンバーで待機しました。3人ずつ2交代で20日から作業を行いました。


 こうした活動こそ、自衛隊がやるべきだったことですが、2009年当時の浜田靖一防衛大臣はやろうとせず、テポドン2号の残骸を最初に発見するという名誉を自衛隊に与えようとはしませんでした。そして、意味があるとは思えない迎撃任務に日本中の注目を集めさせたのです。

 記事は85〜88mの海底に潜るのは大変だと書いていますが、日本も韓国も深海救難艇(DSRV)を保有しており、400m前後の深海に潜水士を派遣できるのです。もちろん、高度な技術が必要ですが、その気になれば、この深度からも物体を回収できるのです。

 とにかく、韓国海軍には心からの賛辞を送りたいと思います。そして、日本の為政者にはこれを見習い、本当に意味のある活動を自衛隊に命じるよう求めたいと思います。当時、外務省がサルベージに反対したという事実があります。政治家が外交・安全保障政策を外務省に依存している体質が生んだ失態だったと言えます。



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