ロシアがシリアの戦争犯罪提訴を批判

2013.1.16


 alarabiya.netによれば、ロシアはシリアで行われた戦争犯罪が国際刑事裁判所(ICC)に提訴されることは逆効果であると言いました。

 ロシア外務省は声明の中で「シリアでの流血をすぐに終わらせるという、現在の主要な目標を解決するためには、我々はこのイニシャティブは時期尚早で逆効果であると見ます」と言いました。月曜日に50ヶ国以上が、シリア政府にシグナルを送るために、国連安全保障理事会にシリア危機を、大量虐殺と戦争犯罪を起訴するICCに委ねるように要請しました。

 BBCによれば、アレッポで2回の爆発があり、80人以上が殺されました。

 爆発はアレッポ大学の寄宿舎のホールと建築学部の間で、入試の初日に起こりました。人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は死者数は83人、負傷者は150人で一部が重傷であるとし、アレッポ州のモハメッド・ワヒド・アカド知事(Mohammed Wahid Akkad)は死者は82人、160人以上が負傷したと言いました。アカド知事、入試の初日に学生を対象としたテロ攻撃を非難しました。国営テレビはテロリストがロケットをキャンパスに撃ち込んだと言いましたが、活動家たちは軍用機がミサイルを発射したと言いました。政府軍筋は、政府が支配している地域にあるキャンパスに、反政府軍が地対空ミサイルが軌道を逸れてキャンパスに命中したと言いました。最も近い反政府派が支配するエリアは1マイル以上の位置です。しかし、反政府グループは、それは爆発の後だったと言い、活動家は政府がキャンパスを爆撃するために戦闘機を送ったと言いました。地域調整委員会は、キャンパスを攻撃する軍用機を撮ったというビデオ映像へのリンクを投稿しました。それは最初の爆発の後に大学から急いで逃げる学生を示しました。それから、カメラは別の爆発の音で震え、人びとは走り始めます。

 自由シリア軍は首都の2ヶ所で政府軍との激戦を報告しました。衝突は過去数日にわたり、アイン・タルマ(Ain Tarma・kmzファイルはこちら)とザマルカ(Zamalka・kmzファイルはこちら)で、反政府の陣地への空爆が続いた後で起こりました。地域調整委員会はホムス州で約62人が政府軍に殺され、最も死者が多かったのはホウラ(Houla・kmzファイルはこちら)とバサリヤ地区(Bahsariya)でした。火曜日に、アレッポの96人を含め、218人がシリア全土で死亡しました。


 記事は一部を紹介しました。

 ロシアはいつなら提訴するのが妥当だとは言っていませんから、要するに、ICCへの提訴に反対なのでしょう。その理由としては、ロシアがこれらの犯罪行為に何らかの形で加わっていたことが考えられます。アサド政権からの依頼で、何か協力を行っていた可能性です。それが裁判の過程で露見することを恐れているのかも知れません。

 記事が示したのと同じではないと思われますが、空爆現場のビデオ映像が見つかりました。地対空ミサイルにしては、爆発の規模が大きすぎるように思われます。航空機から投下された爆弾と考えた方が理にかなっています。

 ホウラの空爆はホムスに近いことから、いよいよ反政府勢力がホムスに接近したことを連想させます。ホムスが陥落することで内戦に決着が着くのか、首都決戦まで続くのかを見定めなければなりません。


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