アルジェリアの誘拐犯は二兎を狙った?
BBCが、アルジェリアのアブデルマレク・セラル首相(PM Abdelmalek Sellal)の事件に関するコメントを報じました。
武装勢力29人が死亡し、3人が生きたまま拘束されました。武装勢力にはチェジニア人11人、カナダ人2人などが含まれました。
人質5人が以前行方不明です。月曜日に、日本は日本人7人が死亡し、3人が行方不明のままだと言いました。アメリカはアメリカ人3人が死亡し、7人が生きていることを確認しました。イギリスは3人が殺され、その他3人が行方不明か死亡したと考えています。
セラル首相は、アルジェリアの特殊部隊の襲撃を称賛し、犯人の狙いはガス施設を爆破することにあったと言いました。犯人たちは、マリ北部から越境して入国しており、国籍はアルジェリア、エジプト、チュニジア、マリ、ニジェール、カナダとモーリタニアであると言いました。武装勢力はマリに対するフランスの軍事介入に対する報復と言いましたが、セラル首相はガス施設への攻撃は2ヶ月以上前に計画されたと言いました。
alarabiya.netはセラル首相の発言について次のように報じています。
犯人の目的は、すでにマリに拘束している人質の数を増やすことで、交渉力を強めることにあったと、セラル首相は言いました。グループは最初に、ガス施設の労働者を乗せたバスを乗っ取ろうとしました。「アルジェリア軍は武装勢力が人質をマリへ連れて行くのを防ぐことに成功し、プロフェッショナルでした」。もう1つの作戦として、武装勢力は金曜日にガス施設を爆破しようとしましたが、アルジェリア特殊部隊はこの災害が起きることを防ぐことでプロフェッショナルでした。
記事は一部を紹介しました。
人質を増やすこととガス施設を爆破することの両方が狙いだったのなら、一応の筋道は通ります。犯人たちはその両方に失敗したという点で、彼らの目標は達成されなかったわけですから、アルジェリア軍としては、作戦成功ということになります。人質の多くが死んだことは、この際、勘定に入らないというのが、無情ながら、この地域の常識です。
何もかも武装勢力が悪い。すべては彼らのせいであるという宣言がなされ、それで事件には幕がひかれます。事件の経緯も、解放された人質からは語られるものの、アルジェリア政府が詳細を発表するとは思えません。これ以上の経過は分からないかも知れません。
カンボジアに日本が文民警察官を派遣し、地元武装勢力の攻撃を受けたとき、相手が日本人と知ると、武装勢力は攻撃を止めたという情報があります。真偽は不明ですが、こういう信頼は北アフリカの武装勢力にはないということが明らかになったと考えることもできます。
安倍総理が日本人の安否が確認された後で「痛恨の極み」と発言しましたが、今後、自民党政権が憲法を改正して自衛隊を海外に派遣するなら、海外で日本人が狙われる可能性はさらに高まります。軍事支援を行って、国際社会の信頼を得ようという発想は、絵に描いた餅と考えるべきです。軍事的手法の限界を知らずに、軍事的手段に頼るのは無意味です。
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