イスラエルがシリア領内を空爆

　BBCによれば、イスラエル軍がシリア国内のダマスカス北西にある軍研究所を空爆しました。

　この攻撃で２人が死亡し、５人が負傷しました。

　レバノン治安筋、西欧外交官、シリア反政府派は、レバノン国境近くで武装した車列が攻撃されたと言います。

　特派員のワイア・デイビス（Wyre Davies）は、外交官と軍事筋はイスラエルが空爆したとしても驚かないと言うものの、報告は確認されていないと言います。

　イスラエルとアメリカはこの事件についてコメントを拒否しています。

　レバノン軍事、内務筋は報告を公式に認めていませんが、先週、特にここ数時間、レバノン全土でイスラエル軍用機の活動が活発化したと言います。

　シリア軍は声明の中で、ダマスカス北西のジャムラヤ（Jamraya・kmzファイルはこちら）にある研究所、隣接する建物、駐車場が攻撃で損傷したと言いました。また、ここ数ヶ月、反政府派は同じ施設を繰り返し狙って失敗していると言いました。

　声明は武装した車列が攻撃されたという報道を明確に否定しました。

　数時間前、匿名のレバノン治安筋は、イスラエル軍用機が、レバノン国境に向かうミサイルを積んだ大型トラックを攻撃したと報告しました。

　AP通信は、米当局者がトラックはロシア製のSA-17地対空ミサイルを積んでいたと言ったと報じました。

　イランはシリアに対する攻撃は自国に対する攻撃とみなすとしており、重大な外交問題になりかねません。

　攻撃はイスラエルが防空システムのアイアンドームを北部へ移動した数日後に行われました。

　車列に化学兵器が積まれていたという証拠はありません。

　アナリストは、イスラエルは、その関与が疑われる、2007年のシリアの原子炉破壊の後で、シリアがロシアからSA-17の一団を受け取ったと信じていると言います。米政府は2008年に原子炉は平和目的ではなかったと言いました。

　記事は一部を紹介しました。このコメントを書いた後で記事を確認したところ、新しい内容を追加して更新されていました。ロシアがイスラエルの空爆を国際法違反だと批判しています。

　事件が起きた順序が正確に分かりませんが、車列への空爆が先で、研究所の空爆はその後のようです。

　シリアからレバノンへ向かう車列を発見したイスラエルが、車列を爆撃しただけでなく、さらに警告として、シリア軍の研究所を破壊し、「レバノン領内へのいかなる武器の輸送も許さない。特に、化学兵器は」というメッセージを送った可能性があります。

　ジャムラヤの位置は、大統領宮殿に非常に近く、ここを空爆してみせたことに意味があります。イスラエルはいつでも宮殿を空爆できるというメッセージを送るのにも好都合です。

　SA-17は自走式の地対空ミサイルシステムで、偵察衛星でも形状を判別できます。カバーをかけたところでごまかせる大きさではありません。現場の位置は分かりませんが、イスラエルはあらゆるルートを監視していることが分かります。

　一番の懸念はイランの態度ですが、今のところは何も発言していないようです。