反政府派がパイプラインを攻撃で全土が停電

2013.10.24


 BBCによれば、シリアのダマスカスの空港近くで爆発があった後、シリアの大半が停電しました。

 反政府派の砲撃が発電所に供給するパイプラインに命中した後、灯りが消えました。住民は首都全体が暗闇に包まれ、当局者は全土で停電したと言いました。シリアの大部分は内戦が始まってから散発的な停電で苦しんできました。イマド・カミス電気大臣(Electricity Minister Imad Khamis)は「テロリストの南部の発電所に供給されるガスパイプラインに対する攻撃が停電を起こし、修理が進行中です」と言いました。彼は電気の供給再開には48時間かかると言いました。

 人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は、反政府派の砲弾が空港から2kmにあるガシュラ(Ghasula)を狙ったと言いました。代表のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は「事前に周到に計画された大規模な作戦である可能性がありそうです」と言いました。活動家は空港の近くで大きな炎が燃え上がっているのが見られたと言います。怪我人がいたかは不明です。


 記事は一部を紹介しました。

 全土で停電は少し大げさだと思います。北部にはシリア最大の水力発電所、ダブカダムがあります。今年2月に反政府派がここを占領していますが、その時点で稼働していました。昨年11月にはティシェレンダムも反政府派が占領しています。だから、首都と南部が停電したと考えてよいと思います。

 多分、パイプラインが主目的ではなく、停電を引き起こして、別の攻勢を成功させることに反政府派の狙いがあるのだと思われます。空港は大統領宮殿にも近く、これほど権力の近くで長期間、攻撃が行われているのに、決着が着かないのが、この内戦の特徴だと言えます。


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