シリア東部で子供にポリオ流行の兆し

2013.10.27


 BBCによれば、世界保健機構(WHO)は、シリアで大半が赤ちゃんと幼児の22人がポリオ(急性灰白髄炎)に感染している考えられると言いました。これが確認されると、14年間ぶりのポリオ発生となります。

 シリアの保険証は木曜日に予防接種を開始しました。シリア内戦が始まる前の2011年、約95%の子供がこの病気に対する予防接種を受けました。現在、ユニセフは500,000人の子供が予防接種をされていないと見積もります。

 WHOは伝染病発生が東部のデリゾール州(Deir Ezzor)に集中すると言いました。「この地域で調査されている急性弛緩性まひの事例22件があります」とWHO広報官は言いました。「誰もがこれを発生と見なし、発生対応モードにあります」。2件はすでに臨床試験で確認されましたが、残り22件の最終確認は来週になるとみられます。

 100,000人以上のすべて5歳よりも下の子供が、内戦の激戦にさらされたデリゾール州でだけポリオの危険にさらされています。デリゾール市は政府軍によって部分的に支配されていますが、田園地方は反政府派の手にあります。

 WHOは現在、シリア保険証とその他の大規模な予防接種計画に関するその他の機関と共に活動しています。ジュネーブにいるBBCのイモージェン・フークス記者(Imogen Foulkes)は、広範な危険状態とシリアの医療専門家の半数が出国したことを考えると、それは難しい仕事になると予測します。

 内戦で国内難民となっているシリア人400万人以上は一般的に、過密で不衛生な状況で生活しています。

 WHOはすでに麻疹、腸チフス、A型肝炎の増加を報告しています。支援機関はヨルダン、レバノン、トルコ、エジプトのシリア人難民キャンプで緊急予防接種計画も作成中です。

 高度に接触伝染性の病気は大抵が、糞便で汚染された食物や液体で拡散します。ポリオはすでに先進諸国では根絶されましたが、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンでは風土病のままです。

 WHO主導で1988年に予防接種キャンペーンが始まった時、世界中で350,000件とされたポリオ感染事例は、昨年の223件へと下落しました。連続したワクチン接種は免疫力を与えられますが、治療法はありません。幼児は特に、最も重い麻痺性ポリオにかかりやすくあります。


 今週半ばくらいまでバタバタしているので、記事の更新時期が変則的になっています。更新できる時に更新する形になります。

 これが恐れていた状況の初端かも知れません。戦争が続けば、保険状況が劣悪になり、伝染病の爆発的流行を生みます。こういう健康上の危険があるから、今年の冬までには内戦を終わらせなければならないと、当サイトは主張し続けてきました。

 たらふく食べている国際社会は、この状況を理解せず、ロシア仲介による化学兵器廃棄で満足し、一番恐れるべき、伝染病の流行を考えようとしませんでした。

 この戦争に対する恐怖心のなさが、いまの世界の最大の問題です。あらゆる方向から考えて、最良の選択肢をするという発想を、世界は開拓しなければならないのです。


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