シリア化学兵器廃棄の舞台は洋上か?
military.comによれば、化学兵器禁止機構(OPCW)は水曜日、神経ガスと神経剤の備蓄を洋上で廃棄することは、廃棄を受け入れる国を見つけるための代替案であると言いました。
OPCWは1,300トンのシリアの化学兵器を2014年中期までに破壊しようとしていますが、計画は先週、アルバニアがアメリカの廃棄受け入れ要請を拒否したことで打撃を受けました。ベルギーとノルウェー政府も危険のアル活動の場所として自分たちの国を除外しました。
OPCW広報官、クリスチャン・シャルチェ(Christian Chartier)は、船や浮遊リグでの洋上廃棄の代替案は実現可能な可能性であると言いました。シャルチェは「すべての選択肢がテーブル上にあります」と言いましたが、詳細は公表していません。
船に積み、洋上へ送れるモバイルシステムは米国防総省が所有しています。野戦展開加水分解システム(The Field Deployable Hydrolysis System)は、水、その他の化学剤、熱を使う、化学戦資材を武器として使えない物に変える輸送可能な中和システムです。
フランスに拠点を置く化学兵器廃棄コンサルタントで科学者のラルフ・トラップ(Ralf Trapp)は、アメリカから太平洋のジョンソン環礁へ廃棄のために運ばれたことを含め、化学兵器は過去には船で遠くへ運ばれていたと言いました。しかしトラップは、彼はシリアの備蓄を廃棄するのに必要な規模で、致死物質を船上で廃棄するための船や浮遊プラットフォームが過去に使われたことは知らないと言いました。
トラップは、洋上施設を使うことには、人口密集地域から遠くに設置できることを含めて、多数の利点があると言いました。しかし彼は、海洋環境を保護することを目的とする国連海洋法条約の制限、高度に危険な貨物を水夫、その他の洋上交通、海洋全般に棄権を最小限にすることを含めて、事前に取り組むべき多くの問題があると言いました。
化学兵器を焼却する場合は、副産物として精製されるガスを抑え、処理するための水を使った結果出る廃水をどうするかを専門家が決定する必要があると、トラップは言いました。「そのような海水の流れが海洋環境に負の影響なく放出できるか、あるいは、そうした廃水の流れが海で処理されるべきか、地上でその後の処理のために貯蔵されるべきかを評価する必要があります」。
記事は一部を紹介しました。
結局、受け入れ国がないので、海の上で処理しましょうという話です。国際社会は大いなる理性を見せて、シリアへの武力攻撃を思い止まったはずですが、イソップ童話の猫に鈴をつける逸話みたいに、どの国も自分から化学兵器を処理しましょうとは言い出さないということです。
能力から言えば、アメリカは十分にその能力があるように思われます。広大な化学・生物兵器の実験場をもっています。もっとも、そこへは長距離の海路を経て、陸上輸送を行う必要がありますから、米国民の理解が得られないという問題があります。
空路で化学兵器を運ぶのは、量的な問題と、通過する国の理解が得られないという問題があります。現実的なのは、シリアの沖に洋上施設を作り、そこへ米軍の廃棄システムを設置して作業を行うという方法です。北西部のラタキアが出荷港となります。廃棄作業はNATO軍が中心で行います。年内には準備を終わらせないと、期限までに間に合いません。化学兵器の処理が長引くのは、シリア内戦が長引くのと同じです。
これとは別に、alarabiya.netからシリア軍がカラ村(Qara・kmzファイルはこちら)を占領したというニュースが入っています。
|