反政府派がシリア最大の油田を占領
BBCによれば、シリア軍がアレッポ市を空爆し、少なくとも40人が死亡しました。
1回の攻撃で、軍用機はアレッポの反政府派陣地を狙ったものの失敗し、野菜市場に命中し、15人を殺しました。国営テレビは戦闘機が市中のテロリスト集団を狙い、多数を殺したと報じました。
土曜日に数回の人命を奪った空襲があったと、人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は言います。アレッポ北方のアル・バブ(al-Bab・kmzファイルはこちら)では22人が死亡しました。ジェット戦闘機はアレッポの反政府派支配地域2ヶ所、ハルワニヤ地区(Halwaniyeh)とカラム・エル・ベイク地区(Karam el-Beik)も攻撃し、民間人多数が犠牲になりました。事件は独自に確認されていません。
人権団体は、一部がアルカイダ傘下のイスラム主義の反政府グループが、シリア最大の油田を占領し、アサド政権が石油埋蔵量のほとんどすべてへのアクセスを遮断したと言いました。デリゾール州(Deir Ezzor)のオマル油田(Omar・kmzファイルはこちら)を失った報道に関して、シリア政府のコメントはありません。
alarabiya.netによると、アルカイダ傘下のアル・ヌスラ戦線(al-Nusra Front)を含む反政府派戦闘員が、シリア軍が完全に輸入石油に頼らざるを得なくなる、シリア最大の油田を占領しました。
アル・ヌスラ戦線とその他のグループの戦闘員は、夜間攻撃の後、デリゾール州(Deir Ezzor province)のオマル油田(Omar)を占領したと、人権団体の長、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は言いました。政府軍は油田から撤退しました。
反政府派がインターネットに投稿したビデオ映像は、戦闘員が油田の入口を歩き回り、別の者たちは政府軍が撤退した後で手に入れた戦車を運転していました。カメラに向かって、ある活動家は戦闘員が戦車7両を捕獲したと言いました。
反政府派は昨年、最初の油田を占領しました。それ以降、反政府派支配地域のグループは闇市場で売るために石油を生産し始めました。政府のコメントはなく、この報道をは確認できません。
しかし、オマル油田の損失が確認されれば、アサド軍はほとんど完全に輸入石油に頼らざるを得なくなるかも知れません。ラーマンは「現在、シリアが利用できる石油備蓄はアル・ヌスラ戦線とその他のイスラムグループの手にあります。政権の命運がアル・ヌスラ戦線の手にあるのです」と言いました。
alarabiya.netによれば、シリア政府のアリ・ハイダル国家調停大臣(National Reconciliation Minister Ali Haidar)が土曜日に、マシャフ(Masyaf)とカドムス(Qadmus)間の道路上で銃撃され、彼の運転手が死亡しましたが、大臣は無事でした。銃撃時、ハイダル大臣は車内にはいませんでした。
マシャフは中部のハマ州(Hama)にあり、カドムスは沿岸部のタートス州(Tartus)にあります。ハイダル大臣は、シリア社会国家主義党の党首で、2012年6月にアサド大統領によって国家調停大臣に任命されました。彼はシリア政府から容認されている反政府派の一に所属し、アサド大統領を妥当しようとして戦う反政府派から距離を置いています。1962年にハマ市で生まれたハイダルは眼科医です。彼の子供の一人は2012年5月、彼が大臣に任命された直後に正体不明のガンマンに殺されました。
戦況に関する動きをまとめて紹介しました。記事は一部を紹介しました。
デリゾール州の油田は昨年、反政府派による占領が報じられていました(過去記事1・2)。まだ、戦闘が続いていて、最大の油田をやっと占領したと聞くのは、少々驚きです。このように、この内戦は本当に情報が流れていないのです。
そして、それを成し遂げたのが、アルカイダ系グループである点は問題です。石油から得られる資金は、シリア国内だけでなく、アフリカなど別地域のアルカイダの活動にも使われるでしょう。西欧諸国はテロとの戦いを叫びながら、肝心なところで、テロ活動を容認している訳です。 これは軍事的筋違いの典型ですね。人間は意外にも、重要なところで軍事的判断を誤るのです。
シリア政府が使える石油が減ることの影響は、しばらくすると現れるでしょう。実際、そうなるかは慎重に見守る必要があります。それが決定的成果となれば、アルカイダ系グループの戦果ということになり、これもまた問題です。本来は、自由シリア軍が達成すべきものだったのです。
ハイダル大臣の暗殺未遂は、多分、反政府派の仕業でしょう。シリア政府が彼を殺しても、あまりメリットはありません。反政府派との交渉筋が減るだけですから。
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