米軍のB-52が中国の防空識別圏内を飛行
BBCによれば、アメリカは中国の新しい防空識別圏を無視して、B-52爆撃機2機を尖閣諸島上に飛ばしました。
中国は土曜日に、航空機がルールに従ったり、緊急防衛手段に直面することを示唆して、防空識別圏を設定しました。国防総省広報官は、B-52が通常の手続きに従ったと言いました。尖閣諸島は日本と中国の緊張を高めている源です。
日本は中国の防空識別圏を「完全に無効」として拒絶し、最大の航空会社二社(日本航空と全日空)は火曜日に、新しいルールを実施しないという日本政府の要請を受け入れたと発表しました。
国防総省広報官のスティーブ・ウォーレン大佐(Colonel Steve Warren)は、米政府は尖閣諸島空域で作戦を行ったと言いました。「我々は我らの通常の手続きに従い続けます。それは飛行計画を提出しないことや、事前に無線連絡をしない、我々の無線周波数を登録しないことを含みます」。中国からは反応がないと、彼は言いました。
航空機は武装しておらず、グアムから月曜日に離陸し、飛行はこの地域の通常の演習の一環だったと国防当局者は言いました。2機はグアムに戻りました。
尖閣の領有権を主張する台湾は中国の動きに遺憾を表明し、台湾軍が自国の安全を守るための措置をとると約束しました。
シンガポール航空とオーストラリアのカンタス航空は新しいルールを守ると言いました。しかし、オーストラリアは火曜日に、中国大使に防空識別圏について反対を表明するよう勧告しました。ジュリー・ビショップ外務大臣(Foreign Minister Julie Bishop)は、中国の発表のタイミングと方法が、現在のこの地域の緊張を踏まえると助けにならないと言いました。
記事は一部を紹介しました。
早速、米軍は中国の防空識別圏を無視するという実力行動に出ました。先日の記事で、「防空識別圏を設定したのに、そこを通過する各国の空軍機にうまく対処できないなら、中国軍は赤恥をかくことになるでしょう」と書きましたが、その通りに、中国は何の反応もできなかったようです。これで、防空識別圏は実質的に無意味なものになったといえます。B-52が2機も尖閣諸島に接近したのに、スクランブル発進をしなかったのは、レーダーで探知ができなかったと言われても仕方がないことです。探知はできたが、対処として迎撃しなかったのでは、何のために防空識別圏を設定したのかということになります。
日本政府が民間航空会社に飛行計画を出さないように求めたのは、結果として正解だったかも知れません。実質的に、民間機が防空識別圏を飛んだからと言って、毎回、スクランブル発進をやれば、中国に多大な負担が押し寄せることになります。
今回の防空識別圏設定は、中国の国際法や慣習に対する無知が引き起こした愚策であることは間違いがありません。しかし、前に書いたように、防空識別圏を確立するために、中国が何をしてくるかが問題です。今後、やたらとスクランブル発進をしてくる可能性はあります。それが偶発的に事件を引き起こす可能性は軽視できません。
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