ボルゴグラード駅で爆弾テロ

　BBCによれば、ボルゴグラード（Volgograd）の鉄道駅で起きた自爆テロは16人を殺害しました。

　爆弾犯が単独の女性だったという初期の公式見解は未確定へと変更されました。

　ウラジミール・プーチン大統領（President Vladimir Putin）は、ロシアの全域で駅と空港で保安を強化するよう命令しました。ロシア政府は武装グループがソチ・オリンピックに先駆けて、暴力を激化することを懸念しています。オリンピック会場は政情不安定な北コーカサス地域の近くにあります。

　救急車が怪我人を病院へ運ぶ間、動かない死体が駅の前庭に置かれました。約40人が負傷し、その中には母親が攻撃で殺された９歳の少女が含まれていました。

　犯行声明を出したグループはありませんが、ロシア政府の調査委員会広報官、ウラジミール・マルキン（Vladimir Markin）は、事件はテロ行為とみなされていると言いました。北カフカス地域のイスラム武装勢力はここ数年の多くの攻撃を主導してきました。武装勢力はロシアの大都市も攻撃しました。この攻撃は、国際的な関心を惹きつけるためには、爆弾犯はソチを直接攻撃する必要がなく、ロシアのどの標的でも同じだということを示したと、モスクワにいるBBCのダニエル・サンドフォード（Daniel Sandford）は言いました。

　ボルゴグラードはモスクワの南約900km、北カフカスのの北650kmで、ソチの北東700kmの位置にあります。

　攻撃に使われた爆弾は10kgのTNT爆薬で、破片が装備され、駅入口の金属探知機付近で起爆されたとマルキン氏は言いました。彼は、初期情報は爆弾犯が金属探知機に近づき、そこで警察官を見て、神経質になり破片を詰め込んだ爆弾を爆発させたことを示しています。彼は警備が行われていたことが駅で多数の死者を出すことを防いだと言いました。駅は爆発の時にいくつかの電車が遅れ、満員でした。マルキン氏は、当局が当初、爆弾犯が女性だったと示唆したと言いました。通信社「RIA Novosti news」は、犯人をダゲスタン人女性のオクサナ・アズロアノヴァ（Oksana Aslanova）だとして、その他の新しい記事は女性爆弾犯の切断された頭部だという写真を公表しました。

　しかし、爆弾犯は男性や複数犯の可能性があるとされて、捜査官の初期の断定は未確定へと変更されました。

　７月にチェチェンの武装勢力指導者、ドウク・ウマロフ（Doku Umarov）はインターネットに投稿されたビデオで、オリンピックの進行を妨げるために最大限の力を使うよう武装勢力に訴えました。女性とされる自爆犯が10月にボルゴグラードでバスを攻撃した時は少なくとも６人が殺されました。金曜日に、ロシア暗部のピャチゴルスク（Pyatigorsk）で自動車爆弾が３人を殺しました。

　記事は一部を紹介しました。

　2008年から当サイトでは、ソチ・オリンピックは危険だと述べて来ました（関連記事はこちら）。グルジア紛争は直接的な動機となります。サンドフォード記者が言うように、武装勢力が目的を達成するには、オリンピックやソチ市を攻撃しなくても、周辺の街を攻撃することで、十分にロシアの威信を傷つけられます。交通機関、ショッピングモール、レストランなどは容易に狙える攻撃目標です。しかし、チャンスがあれば、オリンピック会場を狙うこともやるでしょう。大きな大会だけに、警備範囲も広く、それだけに盲点もできやすいのです。

　爆弾犯の名前が特定された理由は分かりません。インターネット上の記事には彼女の経歴が書かれ、テロリストと結婚した女性だとしています。当初から捜査対象だった女性と誤認された可能性はありそうです。