白の軍隊がボル市外縁部まで進出

2013.12.31

 alarabiya.netによれば、南スーダン軍が民兵「白の軍隊」及びその他の反政府派と月曜日遅くにボル(Bor)の近くで衝突したと、南スーダン政府当局が言いました。

 「銃撃がボルの北の外側付近で行われたと、南スーダン軍公報のフィリップ・アガー(Philip Aguer)は言いました。これよりも前に、アガー氏は戦闘は街の中で行われていると言いました。マイケル・マクエイ情報大臣(Information Minister Michael Makuei)も、南スーダン軍が州都の外縁で反政府派と衝突したと言いました。

 ボルの市長、ナイアル・マジャク・ナイアル氏(Nhial Majak Nhial)は、市の中心部では戦闘は起きていないと言いました。

 政府軍はここ数日間、白の軍隊の攻撃に備えていました。白の軍隊は1990年にボルで起きたディンカ族の虐殺に関与していました。反政府派の公報は、マシャル元副大統領が白の軍隊を指揮していることを否定しました。

 2週間の衝突はすでに、少なくとも1,000人の命を奪い、部族同士の全面的な内戦に発展する恐れがあります。「我々はすぐに全面的な攻撃を予測します。ボル市の南スーダン軍は最大の警戒態勢にあります」とアガー氏は言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 昨日の記事では、ボル市の北東50kmにいた白の軍隊が、ボル市の外縁部にまで進出しました。徒歩の速度は長距離では時速4km程度です。白の軍隊なら、もっと早く歩けるかも知れません。ボル市が陥落すれば、次は首都のジュバです。ボルとジュバの間の距離は直線で150km程度。道路はさほど曲がりくねっておらず、。数日で到達できる距離にあります。

 マシャル元副大統領が白の軍隊に命令を出したかどうかはともかくも、20,000人の民兵が動けば、大量の食糧や弾薬が必要になります。それらを運ぶにも、輸送隊の同院が必要です。反政府軍がまったく関与していないはずはありません。

 ボルに駐屯する韓国部隊を主力とする国連PKO部隊を白の軍隊が攻撃する可能性があるのかが気になります。駐屯地の場所は正確に知りませんが、ボル市東部郊外にある空港の東側にある施設がそれだろうと考えます。そうであれば、白の軍隊には簡単な指示を出すだけで、国連部隊を攻撃する事態は避けられます。マシャル氏に、国際的感覚があることを祈るばかりです。首都ジュバの自衛隊は北部の空港付近におり、北から首都が攻撃される場合は戦闘範囲内に入ってしまいます。白の軍隊はディンカ族を虐殺した経歴があり、国連部隊はディンカ族の南スーダン政府を支援する形になっています。国連は中立とはいえ、現地でどう見られているかは分かりません。日本政府は正月返上で情勢確認にあたることになるはずです。


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