アレッポ国際空港周辺で激戦

2013.2.19


 alarabiya.netによれば、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights 」は、シリアの反政府派は月曜日にアレッポ空港に近い政府軍の検問所を奪取したと報告しました。

 団体の代表、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は、「反政府派はナイラブ空軍基地(Nayrab military airport)から数百メートルの距離にあり、アレッポ国際空港につながる道路上にある検問所を占領した」と言いました。反政府派は空港の道路上にいる政府軍とも衝突したと、彼は付け加えました。

 匿名の政府軍筋は、月曜遅くに反政府派は国際空港の燃料貯蔵倉庫を襲撃しようとして失敗したと言いました。「政府軍は襲撃を撃退した」と消息筋は言い、衝突は空港から200メートルの位置で起こり、まさしく激戦だったと言いました。

 この前進は反政府派が先週、アレッポ州にある、アル・ジャラヒ(Al-Jarrah)、ハッセル(Hassel)、第80基地(Base 80・kmzファイルはこちら)を獲得して以来、最新のものです。

 2月12日、反政府派は、空軍の戦力を衰退させ、倉庫から弾薬を奪うために、アレッポ州の主要な空軍基地と国際空港を獲得する戦いをはじめました。反政府派は1月1日以来閉鎖されてきた国際空港を占領しようとしています。

 シリア軍は一方で、次の48時間で、北部の戦略的な州で、反政府派が占領した地域を駆逐する準備をしていると、政府派の新聞「the Watan newspaper」は報じました。政府軍は、国際空港と近くのナイラブ基地を守る任務を負う第80基地周辺で起きている戦いを止めることに集中していると、同新聞は言いました。また、「政府軍は武装した男たちが占領した地域を掃討した後で、第80基地を支配しなければなりません」と言い、アレッポの治安状況は向上していると付け加えました。

 首都の近くで、反政府派はナブク(Nabuk)の町の近くにある情報部を襲撃し、少なくとも当局者8人を殺しました。反政府派は南部ダルア州(Daraa province)の検問所も占領し、ヨルダンへつながる道路を解放しましたが、国境の基地はまだ体制の手にあります。日曜日に、シリア全土で少なくとも122人が暴力で殺されました。


 第80旅団の基地が第80基地と思われますが、これはアレッポ国際空港の北にある幹線道路のインターチェンジの北東に位置します。反政府軍は空港の北側から南へ攻めているのです。第80基地の占領は終わり、反政府軍はさらに空港に接近したという段階です。やはり、反政府派は完全に空港を占領したわけではなかったようです。

 ナイラブ空軍基地はアレッポ国際空港のターミナルの西側にあります。この周辺にも反政府派が進出しているのです。

 新聞が書いているとおり、48時間以内に反政府軍を撃退できないようなら、政府軍が空港を奪還することはできないでしょう。多分、第80旅団は駐屯地の防御を諦めて、空港北側に展開し、防御戦を行っているはずです。反政府派は空港から数百mの距離に近づいているようなので、戦いの見通しはほとんどついたようなものだと思われます。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.