シリア反政府派が確実な武器使用を確約
BBCによれば、フランスのフランソワ・オランド大統領(Francois Hollande)はシリアの反政府派に武器を供給する自身の計画を擁護しました。
欧州連合の会議の後で、オランド大統領は反政府派が武器が間違った者たちの手に渡らないという保証を与えたと言いました。フランスとイギリスは欧州連合に武器禁輸を解除して欲しいのですが、ドイツはまだ合意するかどうかを決めていないと言います。
反政府派の状態は外国政府にとって最も厄介な問題の1つになりました。沢山の爆弾・自爆攻撃がアルカイダと反省派につながると考えられる武装グループの犯行とされました。ロシアはアサド政権の盟友のままで、反政府派を武装させることに反対します。シリア政府はすべの反政府派を「武装したギャング」や外国が支援した「テロリスト」とみなします。
欧州連合は2011年4月に武器禁輸に合意しました。イギリスとフランスはいま、禁輸撤廃を望んでおり、欧州連合の指導者が禁輸を支持し続けるのなら、反政府派を助けるために単独行動をとるとほのめかしています。イギリスのデビッド・キャメロン首相(Prime Minister David Cameron)は「我々が個別行動をとりたくて、(しかも)それが国益にかなうと考えるのなら、言うまでもなく、我々はそうして構わないのです」と言いました。
オランド大統領は後で、彼はひとつでも武器が送り届けられる前に、反政府派は必要な保証すべてを与えなければならないと言いました。「武器禁輸を解くことができると考えることができるのは、こうしたこと(保証)が与えられたからです。我々はこれらの武器の使用について確実性を得ています」。
両指導者は政治的解決を見出すことを約束しましたが、世界は虐殺が起きているのを傍観することはできないと言いました。しかし、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(Chancellor Angela Merkel)は、この問題に関して決定的な姿勢になれなかったと言いました。
「2ヶ国が態度を変えた事実は、他の25ヶ国が後に続くのに十分ではありません」と、彼女は言いました。
欧州連合皆無大臣は3月22〜23日にダブリンで武器禁輸を再び議論することになっています。イギリスは、5月に行われることになっている、禁輸を6月1日の期限を越えて延長する投票を拒否するかもしれないと示唆しました。
ブリュッセルにいるBBCのクリス・モリス記者(Chris Morris)は、フランスとイギリスは、ロシアとイランがシリア政府軍に武器を与えているという見方をほぼ共有しており、反政府派への武器供給はアサド政権に圧力を加える唯一の方法だと言います。しかしモリスは、ドイツ、オーストリア、スウェーデンは禁輸撤廃を嫌うと考えられている欧州連合の国であると言います。
そして、国連の人道担当のヴァレリー・エイモス(Valerie Amos)は、この動きが支援部局の仕事をもっと難しくするかも知れないと言いました。
国際赤十字委委員会は世界の指導者に、民間人への攻撃を止めるために両者に圧力を与えるよう要請しました。「現在、毎日、多数の民間人の犠牲者が生まれていることは嘆かわしいことです」と、中東の赤十字活動を率いるロバート・マーディーニ(Robert Mardini)は言いました。「両者による、こうした進行中の国際人道法、基本的な人道の原則への違反は止めなければなりません」。
反乱は、南部のダルア(Deraa)での逮捕に引き続き、全国的な抵抗となって、2011年3月15日にはじまりました。反政府派は現在、シリアの大部分を支配しますが、対立はここ数ヶ月長く手詰まりになったように見えました。
alarabiya.netによれば、シリア政府は金曜日に、レバノン軍が反政府軍がシリアに入国するのを止めないのなら、レバノン領内のシリア反政府派を攻撃すると警告しました。
シリア外務省によれば、大量の武装した反政府派がレバノン国境からシリア領内に侵入していると、国営通信社SANAは金曜日に報じました。記事は、反政府軍はカラカ地方(Kalakh)のアル・マソウマ(Al-Mathouma)、アイン・アル・シャーラ(Ain al-Shaara)、アル・ジョウジヤ(Al-Jousiya)、カリャット(Karyat)から入国していると付け加えました。シリア外務省はレバノンに送った公電で「テロリストグループは未だにレバノン国内に存在し、彼らは我が軍の位置から裸眼で見え、軍は最大限自制して、レバノンの監督官庁がシリアとの国境を管理する活動に取り組むことを期待しています」と言いました。シリア軍はレバノンの反政府軍の目標を攻撃することを自制していますが、忍耐には限界があると付け加えました。レバノンは繰り返し、シリアの内紛には関わらないと言っています。しかし、北部でアサド支持派と反政府派との衝突が断続的に起きています。
武器の提供によってシリアの内乱は一層激しくなります。提供された武器によって、さらに多くの人たちが殺されます。戦闘の激化によって、人道支援が難しくなることもあるでしょう。もっと恐いのは紛争がさらに長期化して、地獄が延々と続くことです。
武器提供を意味あるものにするのなら、中途半端なことはしてはいけません。申し訳が立つ程度の武器を提供して終わらせるのではなく、政府軍と反政府軍の戦力を、通常の軍事常識で分析して、反政府軍が勝つのに必要な数量を提供することが必要です。
反政府派が約束しても、一部の武器はテロリストに流れるかも知れません。完全に望ましいやり方がないのが戦争です。
正しい危機管理なんてものはないのです。日本にはそれを商売にしている人もいますし、政界では「自民党」の危機管理は正しくて、「民主党」の危機管理は間違っているという言い方がよくなされます。本当の危機は「管理」できないのです。戦争が修羅道であることは否定しようもなく、それは最低の道だということは、決して忘れていけないものなのです。
レバノン領内の反政府派を攻撃するという話は、単にニュースで報じられただけなのでしょうか。シリア外務省からレバノン政府へ通告されたことなら、話はかなり差し迫っています。その前に国営放送で知らせる意味がよく分かりません。警告したいのなら、そうすればよいだけの話です。今後、次の展開があるかを注意していきたいと思います。
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