イラク軍がはじめてシリア国内を砲撃

2013.3.2


 alarabiya.netによれば、イラク軍がはじめて、シリアの自由シリア軍の陣地に対して砲撃をしました。この事件はイラクのヌーリ・アリ・マリキ首相(Prime Minister Nouri al-Maliki)が、シリアの緒反政府派が勝利すると、この地域に不安定が拡散すると言った翌日に起こりました。

 シリアとイラクの国境付近にいるAl Arabiyaの特派員は、イラク軍がシリア自由軍の陣地を砲撃する間に、狙撃兵がレビヤ国境(Rebiya)の近くの建物に陣地をとりました。シリア国境付近に大量のイラク軍が増員されたと特派員は言いました。

 水曜日に、マリキ首相は、シリアの反政府派はシリア国内とレバノンで派閥抗争を起こし、この地域を不安定にするアルカイダの新しい拠点を作るだろうと警告しました。「反政府派も政権もこれを終わらせることはできません」「反政府派が勝利すれば、レバノン内乱になり、ヨルダンは分割され、イラクで派閥抗争になります」とマリキ首相は言いました。

 alarabiya.netによれば、金曜日に、ダマスカスのジョバル(Jobar・kmzファイルはこちら)にある世界最古のシナゴーグの1つが、シリア軍により破壊されました。

 シリアの反政府派軍事評議会がインターネットに投稿したビデオは、ひどく破壊されたシナゴーグを映しました。


 イラク軍の動きは防衛的なもので、これがシリアの内乱に大きな影響を与えることはないでしょう。シリア内乱に触発されて、イラク国内で派閥闘争が復活することを恐れての行動です。

 レビヤの位置は分かっていませんが、ユーフラテス川沿いにあるのだと思われます。かつて、米軍がイラクに侵攻した時、アルカイダの外国人戦士がユーフラテス川沿いにイラクに侵入したことがあり、今回、イラク政府はそれを懸念しているのです。

 私見としては、シリアが紛争を輸出することはないと思います。国外からの支援を受けながら、それを裏切るような行為はできないからです。アルカイダ系戦闘員が幅をきかせるようになり、反政府軍がそれを抑えられないようになると問題ですが、それ以外の部分での懸念は無用と思います。

 破壊されたシナゴーグの映像は記事にビデオが掲載されていますからご覧ください。


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