化学兵器による攻撃は未だ未確認
BBCがシリアの化学兵器攻撃の続報を報じましたが、攻撃の有無を含めて、大きな進展はないようです。
攻撃の犠牲者とされる映像が公表されましたが、彼らは化学兵器の被曝の症状を示しているようには見えませんでした。公式の犠牲者の数はすぐ31人にあがりました。
反政府指揮官はその後で、政府軍が攻撃を行ったと主張しました。彼らは呼吸困難と皮膚が青みがかった犠牲者の報道を引用しました。ある指揮官は、軍用機が誤って政府軍の支配地域を爆撃したと言いました。水曜日に、反政府派の国家評議会は19人が殺され、犠牲者の多くは窒息したと言いました。
どちらの主張も独自に確認できませんでした。
国家評議会の声明も、完全な国際的調査を要求し、カーン・アル・アサルへ派遣団を送るよう求めました。「すべての証拠はいま、アサド政権がこれらの兵器を国民に対して使っていることを示します。攻撃に関する証言と映像は今日、これら禁止兵器が人道に反する罪となることで使われたことを証明します」「評議会はこの不届きな犯罪に関与したすべての党派と個人が法によって裁かれることを望みます」。
シリアの国連常任代表、バシャル・ジャファリ(Bashar Jaafari)はニューヨーくで記者に、潘基文事務総長(Secretary General Ban Ki-moon)に、シリアで活動するテロリストグループが化学兵器を昨日民間人に用いたことを調査するために、専門的で独立、中立の技術者の派遣団を要請しました。
alarabiya.netによれば、反政府派は火曜日に、シリア南部で、政府軍が撤退した後、ヨルダン国境の警備所と戦車旅団司令部を占領しました。
人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は「彼らは、激戦の後、政府軍が警備所から避難したあとで、タル・シャハブ(Tel Shehab・kmzファイルはこちら)に近い国境検問の支配を得ました」と言いました。YouTubeに投稿されたビデオ映像は、詰め所の付近にいたり、車やオートバイに乗ったり、徒歩の武装した男たちを映しました。警備所はほとんど無人の地域にある小さな建物のように見えました。戦いの痕跡は建物の壁、その回りで放棄された戦車の写真をとる兵士にみられました。映像を撮影した人物は「ファジル・アル・イスラム(Fajr al-Islam)の英雄たちがこの基地を占領しました」と言い、別の人物がモアタズ・ビラー旅団(Moataz Billah brigade)も参加したと付け加えました。
ラーマンは反政府派が、激戦で政府軍を撤退させた後で、南部ダルア州(Daraa province)のナーマ(Naama・kmzファイルはこちら)の戦車旅団司令部の支配を得たとも言いました。
月曜日にシリア全土で161人が殺されました。
記事は一部を紹介しました。
BBCも映像に見られる被害者が化学兵器による症状を示していない点を指摘しています。この映像は本物でも、化学兵器の被害を受けていない人たちを撮影したものである可能性が高いと思われます。昨日の記事で紹介した過去の記事に掲載されている、前回の化学癖の攻撃とされた映像と比べても、明らかに別の症状を示す人たちしか見られません。
反政府軍が政府軍が政府軍の支配地域を誤爆したと言っている点が気になります。誤爆をしてしまったので、ついでに反政府派に責任を押しつけたのか。あるいは策略として意図的に爆撃したのかも知れません。
今日の段階でも、攻撃の有無を確認するのが先決と考えています。
南部での進展はごく小さいものですが、政府軍の劣勢を示しています。ナーマの位置は特定しきれませんでしたが、多分、州都ダルアの東にある街です。
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