反政府派が南部の防空基地を占領

2013.3.24

 alarabiya.netによれば、シリアの反政府派は土曜日に、南部、ダルア州(Daraa)の主要な空軍基地を占領し、首都ダマスカスへの補給路を強化しました。

 人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」によれば、戦士たちはヨルダンとシリアの国境沿いのいくつかの軍事基地も占領しました。土曜日の進展は、戦士たちに25kmにおよぶゴラン高原の支配も与えました。この空軍基地で、旅団指揮官も死亡しました。人権団体は「16日間の激戦の後、アル・ヌスラ戦線(the Nusra Front)、ヤルモク殉教者旅団(Yarmouk Martyrs Brigade)、その他の部隊は、ダマスカスとアンマンの幹線道路上にある、サイダ町(Saida)に近い第38師団防空基地(kmzファイルはこちら)の支配を得ました」と言いました。反政府派が撮影し、人権団体が配信したビデオ映像は、将校のマフムード・ダルウィーシュ(Mahmud Darwish)と特定される血まみれで、バラバラにされた死体を映しました。

 現場の活動家のグループ、シリア革命委員会(The Syrian Revolution General Commission)は、反政府派はサヘム・アル・ゴラン(Sahem al-Golan)のダルア町(Daraa)の検問所も確保したと言いました。人権団体は後に、反政府派はサヘム・アル・ゴランの2つ目の検問所も占領したと言いました。ビデオ映像は反政府派が検問所を占領した後で、少なくとも政府軍の戦車2両と数台の軍用車両を手に入れたところを映しました。

 alarabiya.netによれば、選ばれた反政府派の戦士は、政府軍との戦闘を強化するためにCIAから情報を得ていると、土曜日にウォールストリートジャーナルは報じました。

 この新聞は、CIAの新しい活動は、非宗教的な反政府戦士を強化することを狙う、オバマ政権の手法の変化を反映していると、匿名の現役・退役米当局者の言を引用しました。CIAは湾岸諸国の同盟国からの武器の貨物を受け取る反政府派を助けるために、幹部をトルコに派遣しました。しかし、政権当局者はイスラム過激派にいくらかの武器がわたる懸念を示しました。

 イラクでは、シリア国境を越えてくるアルカイダ戦闘員の流れにイラク人が対処するのを助けるために、エリート対テロ部隊と共に活動するために、CIAはホワイトハウスから直接命令を受けました。記事によれば、西欧は自由シリア軍を支持します。シリアの反政府指揮官は、CIAは様々な武器の使い方を反政府軍に訓練するために、イギリス、フランス、ヨルダンの情報部と共に活動しています。

 この動きは、シリアでのアルカイダの提携グループ、アル・ヌスラ戦線がパキスタンにいるアルカイダ中枢とのつながりを深めている時に起こりました。新しい反政府派への援助は、アメリカの直接的な軍事行動を行わないという決定を変えることはありません。

 先週、ロスアンゼルスタイムス紙の報道は、シリアのイスラム過激派の情報が、彼らを攻撃する可能性のために、CIAによって収集されていると言いました。パキスタンとイエメンで、無人機を使ったCIAの秘密殺害計画を実行する対テロリズムセンターは、最近、テロの脅威をもたらしかねないシリアの武装勢力の情報収集を向上させるために、何人かの将校を移動したと、記事は米当局者の言を引用しました。


 第38師団防空基地はアンマンからダマスカスまで通じる幹線道路から1.6km程度西にあり、第38師団の施設は幹線道路沿いに、さらに北の方にもあります。国境からダマスカスまでの約100kmの間に、こうした基地はまだいくつもあります。よって、現時点で、ダマスカスまで補給路がつながったかは不透明です。

 米軍の軍服を着た者が、トルコで反政府派を支援しているという報道は、どうやらCIAの活動だったようです。元米軍兵士がCIA要員として訓練を行っているのでしょう。120mm迫撃砲も、彼らが教えたのかも知れません。やはり、迫撃砲を導入するという私のアイデアは筋違いではなかったのだと思います。さらに、偵察衛星が入手した政府軍の配置は、作戦立案に役立てられているのです。紛争を早く終わらせるために、これらが役立つことを願うばかりです。


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