ダマスカス中心部に迫撃砲弾が着弾
ロイター通信によれば、月曜日にシリアの反政府派はダマスカス中心部に迫撃砲弾多数を撃ち込み、大統領の住居から1km以内の高度に警護された地域に命中したと、住人と治安筋が言いました。
政府軍は首都を見下ろすケジオン山(Mount Qasioun)から大砲で報復しました。ある住民は「私はこれまでに反政府派を叩く政府軍の砲撃を沢山耳にしました」と言いました。
匿名希望の治安筋は、迫撃砲弾が軍司令部と国営テレビがある主要な交差点、ウマイヤド・スクエア(Ummayad Square・kmzファイルはこちら)に着弾したと言いました。日曜日、住民は迫撃砲弾が国営テレビの駐車場に着弾したと言いました。
反政府派の最初の砲撃が午前6:30にはじまり、現在も続いていると住民は言いました。「私は街が攻撃を受けていること以外、何が起きているのかを正確には知りません」と彼女は言い、通りからサイレンが聞こえると付け加えました。
国営テレビは、オペラハウス、バース党本部から空軍情報部までの通りのあちこちで、大勢の犠牲者が出たと報告しました。
迫撃砲弾はウマイヤド・スクエアから数百メートルのカファル・サウセ地区(Kfar Souseh district)へ進撃したから反政府派から放たれたとみられますが、武装勢力がさらに前進しようとしたという報告はありません。
alarabiya.netによれば、自由シリア軍の指揮官で創設者のリアド・アル・アスアド(Riad Al-Assaad)が月曜日の早朝、車の中に仕掛けられた爆弾で片足を失いました。
事件はデリゾールに近いマヤディン(Miadeen・kmzファイルはこちら)で起こりました。ビデオ映像はアスアドがストレッチャーに乗せられ、病院に連れて行かれるのを映しました。ほとんど意識を失った指揮官は「死にたい」と叫びました。アスアドは治療のためにトルコへ運ばれました。
ウマイヤド・スクエアは、先日、アサドの妻が姿を現したオペラハウスと反政府派の迫撃砲による砲撃があったとされる公園に隣接した円形交差点です。国営テレビ局は交差点の南側、オペラハウスから見ると西側にあります。駐車場はビルの南側にあり、ここに迫撃砲弾が落ちたという報告がある訳です。
テレビ局が使えなくなると、アサド政権にとっては、一層事態は悪くなります。国民に対する宣伝活動がほとんどできなくなるからです。
さらに、反政府派がカファル・サウセ地区から砲撃したという話は驚きです。この地区は、ウマイヤド・スクエアから南に広がる扇状の区域で、ウマイヤド・スクエアから一番遠いところで3.7kmくらいしか離れていません。ここまで反政府派が砲兵を前進できたというのは驚きです。
さらに、こういう近距離から砲撃ができたということは、やはり反政府派は自走式の迫撃砲を手に入れているのではないかと考えさせられます。これくらいの近距離で、砲弾の飛翔時間が短いと、すばやく撤収しないと対砲兵射撃を受けてしまいます。それを避けるために、すばやく撤収するには自走式でないと無理でしょう。
こうした迫撃砲による政府施設への攻撃と政権への揺さぶりへと、反政府派の戦術は変化しているようです。
アスアド将軍の暗殺未遂は、反政府派中枢に食い込んでいる政府軍のスパイの存在を連想させます。多分、犯人は捕まると思います。裏切りの理由が気になるところです。
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