北朝鮮の逆効果な脅迫が止まらない

2013.3.30

 聯合ニュースによれば、北朝鮮の金正恩第1書記が緊急招集したとして朝鮮中央通信が29日に報じた作戦会議の写真に、北朝鮮軍の主要戦力が書かれた作戦計画図が写り込んでいました。

 写真には「戦略軍米本土打撃計画」と題した作戦計画図が写り込んでおり、一部の軍の戦力が記されているのが分りました。写真で確認できるのは潜水艦40隻、上陸艦13隻、掃海艦(機雷戦艦)6隻、補助艦船(支援艦艇)27隻、航空機1852機など。

 韓国国防部が発刊した2012年国防白書には北朝鮮軍が潜水艦艇約70隻、上陸艦艇約260隻、機雷戦艦約30隻、支援艦艇約30隻、戦闘任務機約820機、監視統制機約30機、空中機動機約330機、訓練機約170機を保有していると推定しています。写真で確認できる戦力と比べると、上陸艦247隻、機雷戦艦24隻、支援艦艇3隻、航空機502機の差がある。


 記事は一部を紹介しました。

 保有する装備の数については、偶発的な漏洩か偽情報かは分かりませんから、あまり考えない方がよさそうです。あるいは、この作戦に関係する装備の数だけかも知れません。

 それよりも、「戦略軍米本土打撃計画」という作戦計画がそもそも実行不可能で、噴飯物です。名前が出ている兵器のどれもが、米本土に到達できないもので、これらでどうやって米本土上陸を果たすのかが分かりません。北朝鮮の装備では、韓国はともかく、日本に来るのも厳しいのに、どうやってアメリカまで行くというのでしょうか。それを実現するために弾道ミサイルを開発しているはずなのに、軍事に通じている人なら絶句する内容です。

 国内向けの宣伝と見ることもできますが、そういう報道はすぐに世界中にも配信されるもので、当然、アメリカにも知られると考えなければなりませんし、北朝鮮もそのように自国の国内放送を活用してきたはずです。このやり方では恐くないし、むしろ軍事的無知を全世界に放送しているようなものです。これが北朝鮮軍の頭脳の限界であれば、日本にとっては朗報ですが。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.