シリア内紛を取材する記者に懸賞金

2013.4.2


 alarabiya.netによれば、アサド大統領支持者のシリア人ビジネスマンは、シリア国内で「Al Arabiya news」の特派員を捕らえたものに、1000万シリア・リラ(約141,700ドル)を与えると申し出ました。

 クウェート在住で、シリア国営テレビの番組に電話で出演したファヒム・サクア(Fahim Saqr)は、「the pan-Arab news channel」と「Al Jazeera」の記者にも脅威が及ぶと言いました。「我々のメディアは真実をついていますが、彼らのメディアは嘘です」とサクアは司会者に言いました。「私は自分の名前で、このメッセージを発表します。「Al Arabiya」や「Al Jazeera」の
記者をとらえてシリア軍に引き渡したシリア国民にに1000万リラを与えます」。「こうした人々は、虚偽の報道を行い、国とシリアの社会基盤をバラバラにすることを狙い、シリアの国の内外でシリア国民をミスリードし、アラブ世界をミスリードし、全世界をミスリードしています」「私の名前、電話番号、連絡の詳細をあなたがたに与えます」。

 政権側の当局者は、シリア内戦を報道する国際的、アラブ世界のメディアに、しばしば噛みついています。同様に、シリアの活動家も国営テレビが内戦の国の出来事を表現する方法に怒ってきました。2月に、国営テレビが放送したダマスカスの幼稚園を破壊したとされる記事は、彼らが政権軍兵士が同じ幼稚園で遊んでいるのを示すビデオ映像を回収した後で、ソーシャルメディア上で、活動家たちによって、反政府派を貶めるための政権の捏造と認識しました。矛盾する報道はフェイスブックの「Scandals of the Syrian regime's media and its lies and TV clowns.」というグループで閲覧されています。

 このグループのメンバーはシリア政府とアサド政権に対して、毅然と立ち向かっています。国の内外にいる多くのシリア人活動家は、コミュニケーション媒体、印刷物、音声、映像すべてを通じて、シリア国内での出来事を記録しています。


 サクアの名前は記事中で「Saqr」と「Sadeq」の二つの表記がありますが、サクアで統一しました。

 フェイスブックのグループは英語では検索できないので、多分、アラビア語だけで公開されているのでしょう。私は読んでみたいと思いますね。

 それにしても、報道記者に懸賞金とは、ジュネーブ条約(国際人道法)をまったく無視した話で、容認できません。こうした発表は、アサド政権を助けるどころか、野蛮人のレッテルを貼らせるだけで、いわば、ひいきのひいき倒しです。

 しかし、こういう馬鹿げてすらいる出来事が起きるのが中東社会の特徴でもあります。


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