建軍記念日にミサイル発射はなし
時事通信によれば、北朝鮮は、軍創建81周年の25日、平壌の錦繍山太陽宮殿広場で、金正恩第1書記が出席し、閲兵式を行いました。
可能性を指摘されていたミサイル発射の動きは見られず、各種兵器が登場する大規模な軍事パレードもありませんでした。閲兵式には崔竜海軍総政治局長、張成沢国防委副委員長らも出席。各軍の司令官が「最後の攻撃命令を待っている」と誓いを述べた後、兵士が行進し、上空を航空機がデモ飛行しました。朝鮮通信(東京)によると、労働党機関紙・労働新聞は25日の政論で、挑発的な言動の中止と非核化を求める米国を非難し、「核放棄は武装解除であり、路線変更は制度転覆を意味する」と強調。「今やわれわれにとって核は拡大、強化のみがあり得る」と主張しました。ただ、実際の行動は抑制。韓国国防省報道官は25日、ミサイル発射に関し、「特段の動きはなく、同じような状態が続いている」と述べました。今回は節目の年ではなく、大規模な軍事パレードは7月27日の朝鮮戦争「勝利」(休戦協定締結)60周年に行われるとの見方が強まっています。
読売新聞によれば、韓国国防省報道官は25日、4月10日頃までにミサイルに注入されたとみられる液体燃料については「相当長期間入れたままでも問題がない」と述べました。
聯合ニュースによれば、韓国政府は25日、操業が停止している南北経済協力事業、開城工業団地の正常化に向け、北朝鮮に当局間の実務会談を提案しました。
韓国は11日も柳吉在(リュ・ギルジェ)統一部長官が対話を呼び掛ける声明を出していますが、今回はより具体的に会談を提案しました。南北当局間の会談を正式に提案するのは、現政権発足後初めて。一方で政府は、北朝鮮からの返答について翌26日午前中という期限を設けました。さらに、北朝鮮がこの実務会談まで拒否すれば、「重大な措置」を取る可能性があると言及しました。政府の姿勢が強硬になったことを示したと受け止められます。
記事は一部を紹介しました。
予想以上に小さな動きしかなかったという印象です。軍事パレードが行われず、弾道ミサイルの展示がなかったのは、いま、発射を見せかけるために咸鏡南道で使っているからというジョークにもなりそうです。
このまま徐々に動きが小さくなっていき、今回が騒動は終わる可能性が高まりました。それにしても、今年は北朝鮮の窮状が一段と鮮明になりました。それが核装備を強調したがる理由になっているのだと思われます。
韓国国防省報道官がミサイルに注入された燃料は長期間そのままで問題ないと発言したのは、スカッドなどの石油系燃料のことなのか、ムスダンなどの腐食性燃料のことなのか、もう少し詳しく聞きたいですね。本当にムスダンに燃料が注入されたのか、スカッドの方ではないのかと、私は疑問に思っています。
開城工業団地では、韓国人労働者が半ば人質に取られていて、韓国企業の損失も増えているはずです。韓国は、北朝鮮が二度と同じ行為を行わないという確約をとった上での操業再開を、北朝鮮に求めると、私は想像します。これを受け入れないなら、工業団地は閉鎖し、韓国軍による自国民救出が行われることになります。関係企業には韓国政府からの補償を行うことになるでしょう。
弾道ミサイルによる脅しは大して効果がなく、開城工業団地のカードも封殺されると、今回の示威活動で北朝鮮には損失しか残りません。
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