北朝鮮が実弾射撃演習を準備中か?
時事通信によれば、北朝鮮は大規模軍事演習の準備を進めているようです。韓国の聯合ニュースが28日、韓国政府関係者の発言を引用して伝えました。
北朝鮮西部の港湾都市、南浦特別市(Nampo・kmzファイルはこちら)で、砲兵部隊と空軍の戦闘機による合同実弾演習の準備が進行中です。韓国政府関係者は匿名を条件に「演習規模は極めて大きいようだ」と語り、北朝鮮が演習中に韓国に対する軍事挑発やミサイル発射実験を実施する可能性に懸念を示しました。
記事は一部を紹介しました。
韓国政府当局者の懸念は紋切り型で、記者がお決まりの文句を書いたようにしか感じません。
弾道ミサイルの脅しが効かず、開城工業団地が予想しない効果を生んだように感じたので、北朝鮮がさらに一押しを企画したようにしか見えません。やり方としては泥縄式です。
しかも、地上部隊が参加しない、砲兵と航空機だけの実弾演習なのが気になります。演習の規模が小さいのは、大量に兵を参加させる経済的負担を避け、農作業への支障が出ないようにするためかも知れないと考えてしまいます。また、南浦特別市は南北境界線から130kmほど離れた場所で、あまり韓国を刺激しないように配慮している点も、北朝鮮の腰が退けているようにしか見えません。
弾道ミサイルがあるなら、なぜそれらを発射してみせず、通常兵器による演習に切り替えたのかという疑問が湧きます。ここから、ムスダンが完成していないという私の推測は、さらに強化されます。
要するに逆効果です。北朝鮮が韓国を脅していると考えるのは間違いです。恐い顔をしてみせているものの、本音とは裏腹です。北朝鮮軍の行動は戦略理論とかけ離れており、これを本物の軍事行動と混同してはなりません。
しかし、この恫喝行為に北朝鮮は命を賭けているのです。そこはあなどれません。演習で韓国に圧力をかけて、開城工業団地の再開を狙っていると考えなければなりません。
まずは、この演習がどれくらいの規模で行われるのかを見たいと思います。金正恩の視察が行われるかも知れません。南浦特別市の北星の山の上には、指導者用の巨大な施設があるからです。
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