シリア内戦の死者は12万人か
BBCによれば、シリア国内で3月に死亡した人は、2年前に政府への抗議活動がはじまってから最悪になりました。
人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は、先月の死者を6,005人としました。犠牲者には、少なくとも女性291人、子供298人、反政府派兵士と政府軍離反者1,486人、政府軍兵士1,464を含みます。その他の死者は身元不明の民間人と戦闘員です。同団体は、死者の総計は記録された62,554人よりも多いと言います。「我々は実際には約120,000人だと見積もっています」と、理事のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdelrahman)は言いました。「多くの犠牲者の数は、我々がまだ正式に追加していないために、記録するのはより難しいのです」。
alarabiya.netによれば、シリア政府は火曜日、6月末までのイランからの石油輸入に関して、税控除を行うことを決めました。
内閣は2013年6月30日までのイランからの石油、燃料、ガスの輸入に関する税金と関税を控除する決定をしました。
2年以上続く内紛で、シリアは大幅な燃料不足に陥っています。東部の石油が豊富な帯状地域は、いま反政府派の手にあります。シリアの石油生産は激減しました。東部のデルゾール(Deir Ezzor)、中部のホムス(Homs)、地中海側のベニアス(Banias)のパイプラインを狙った爆発は反政府派の犯行とされています。体制側は都市間の輸送を困難にしていることが燃料価格を急上昇させていると言いました。石油輸送車は頻繁に道路上で狙われ、一部は略奪されました。
欧州連合とアメリカは、石油とその生産物のシリアへの輸出入を禁止する経済制裁を課しました。
内紛が起きる2011年3月、シリアは1日あたり約400,000バレルの石油を生産しました。生産高はその後、半減しました。シリアの石油の大半は国内消費のために使われます。
正確な死者数は永久に不明でしょう。できるのは、可能な限り記録を揃えて、実態に迫ることです。この内戦では、国際法に違反した捕虜虐殺が多く観測されているものの、人権団体の活動も目立ち、そこからの情報が戦況を知る上で大きな役割を果たしています。こうした活動があるだけでも、赤十字社にはじまる救済団体が誕生した意味があるというものです。
シリア政府の石油税・関税の一時撤廃は、輸入を容易にするための措置で、これは言うまでもなく、政府派の支配地域で石油が欠乏している証拠です。南部も反政府派の支配地域が増え、地中海側からの輸入が増えているはずですが、そこもそろそろ危なくなっています。あとはレバノン経由ですが、ここにも反政府支持派がいます。
そろそろ内戦に転機がでる時期に来ていると思うのですが。
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