シリア首相が爆殺を逃れる
alarabiya.netによれば、シリアのみならずワエル・アル・ハラキ首相(Prime Minister Wael al-Halqi)が乗った車が仕掛け爆弾で狙われましたが、首相は無事でした。
爆発はダマスカスのメッツェ地区(the Mazzeh district)で午前9時直後に起こりました。首相に同行した男性1人と通行人5人が死亡しました。
人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」の代表、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は、爆弾は遠くで爆発したと言いました。国営テレビは、爆発が大使館、政府ビル、情報機関、政界の要人が住む厳重に警護された地区が近隣にある、遊園地と学校の近くで爆発したと言いました。
記事は一部を紹介しました。
この事件で重要なのは、反政府派がハラキ首相を狙ったのか、誰でもよいから政府要人を殺そうとしたかです。ハラキ首相を狙ったのなら、これまでの暗殺同様に政府内部にいる反政府派が首相の予定を密告したと考えられます。そうでなくても、政府要人を暗殺して、政権の機能不全を狙ったのかも知れません。
いずれにせよ、メッツェ地区は、ダマスカス西部にあり、大統領宮殿に近く、巨大な軍用飛行場を抱える重要地区です。すでに何度も、こういう重要地区で自動車爆弾事件が起きています。
事件を防ぐには路上駐車をさせないことです。シリアでは路上駐車が認められていますが、いまや人が乗っていない車は爆弾だと思わなければなりません。人がいても自爆攻撃の可能性もあります。自動車の交通を完全に規制はできませんし、爆弾を積んだ車を発見するのは困難です。
イラクとアフガニスタンを占領した米軍の経験からいっても、こういうテロ攻撃を防ぐ手はありません。
だから、内心はシリア政府は弱っているはずです。今回、強気の声明を出していますが、それを本心とみなすべきではありません。
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