シリア軍がホムス南西の街を攻撃
BBCによれば、シリア軍が反政府派が支配するクサイル(Qusair・kmzファイルはこちら)に対する攻勢を開始し、激戦が続いています。
国営テレビは、政府軍が町中心部の主要な建物を占領したと報じましたが、人権活動家は強く否定しました。反政府派は50人の人々が殺されたと言い、国営メディアはテロリスト70人死んだと言います。ヒズボラに関係するとされるレバノン人が政府側につき、スンニ派の武装勢力が反政府派についています。街はレバノン国境に近く、戦略的価値があります。街を支配すればシリア政府が首都から沿岸までの行けるようになります。反政府派にとっては、レバノンに行き来できることを意味します。
攻勢は日曜早朝に砲撃と空爆から始まりました。ここ数週間、シリア軍は周辺の村と田園地帯を奪還し、クサイルを包囲していました。
街にいる人権活動家がインターネットに投降したビデオは、犠牲者で溢れた野戦病院が混乱している様子を示しました。BBCの特派員は一部は明らかに戦闘員で、他の者は民間人だと言います。人権活動家は医療の状況は深刻で、大勢の負傷者を治療するための資源はわずかだと言いました。彼らは少なくとも50人が死亡し、約450人が負傷したと言いました。
国営テレビは政府軍が、市役所を含む中心部の建物を支配し、現在はテロリスト(反政府派)を追跡していると言いました。クサイルの住民と反政府派の活動家、ハディ・アブドラ(Hadi Abdullah)は、民間人が地下に隠れ家を求めていると言いました、。彼は政府は街に進出していないと言い、壊れた建物は数ヶ月前に破壊されたのだと言いました。「革命以降、最も激しい(砲撃)です」と彼は言いました。
それよりも前に、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は、政府軍は南から前進し、ヒズボラの戦闘員が中心的な役割を演じたと言いました。今月初め、シリア軍は街にリーフレットを投下し、反政府派が降伏しないと攻撃すると警告されたとされます。
これとは別に、レバノンの国営通信社は、ソ連製のグラートロケットが北東部の街、ハーメル(Hermel・kmzファイルはこちら)に着弾したと報じました。ロケットはシリアから発射されたとされますが、損害や犠牲者はありませんでした。
記事は一部を紹介しました。
クサイルはホムスの南西約25kmにある街です。北部から追い出されつつあるので、ホムスの南からレバノンの向けた補給路を確保したく、この街を集中攻撃していると考えられます。
逆に見れば、ホムスが危ないので、シリア軍が代替のルートを求めているとも言えます。
反政府派が言うとおりなら、これはアサド派を安心させるための大本営発表です。ホムスが危ないとの見方が身内の中に広がっているので攻勢をかけたものの、進展が遅れているのかも知れません。多分、現地へ送り込むべき地上部隊がないのでしょう。
グラートロケットはBM-21の多連装ロケット砲ですが、いまや旧式の兵器です。クサイルからは20km離れていて、レバノン国境からも9km程度離れています。誤射だとすれば、ひどいズレです。クサイル攻勢との関連はよく分かりません。
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