北朝鮮がムスダンを撤去か?
北朝鮮が2基の中距離弾道ミサイル「ムスダン」について、発射準備の態勢を解除し東海岸の発射場から移動したとロイターが報じましたが、BBCの報道は微妙に内容が違います。
ロイターは追加として、米当局筋によると、米政府は、北朝鮮がミサイルを別の発射場に移動したとは考えていないとも報じています。
以下はBBCの記事の訳です。(この記事はその後、更新されて、さらに長くなっているようです。下は最初の記事の訳です)
北朝鮮は東海岸の発射基地からムスダンミサイル2基を移動し、朝鮮半島の緊張が和らいだことを示したと、米当局者は言いました。
平壌は先月、ミサイル発射の準備をしたと報じられました。
北朝鮮はアメリカと韓国の特定の目標に対して核攻撃をすると脅しました。
ミサイルはいつでも発射する準備をしていますが、北朝鮮は現在、それらを移動したと、匿名の米当局者はAFPに言いました。
一方、米国防総省の広報官、ジョージ・リトル(George Little)は、ミサイルに直接コメントするのを避け、記者に「最近、我々が見ているのは、挑発的な中断です」と言いました。
「我々はそれが朝鮮半島の平和と安定を得るのを確実にする努力のために明らかに有益と考えます」。
地域的な緊張は2月に平壌が3回目の核実験を行ったあとで高まりました。
北朝鮮は新しい国連の制裁と、一週間前に終わった米韓の大規模な年次軍事演習に怒っていました。
新しい連続する合同対潜演習が日曜日に始まり、金曜日まで続くと、韓国の聯合ニュースが報じました。
ロイターはムスダンが発射態勢を解いたと、BBCは発射できる状態にあると報じました。多分、情報源が違うので、記事に差が出たのだと考えられます。
発射態勢は、燃料を取り出したかどうかで判断されます。偵察衛星や偵察機が燃料取り出し作業を撮影したとか、北朝鮮軍の無線交信を傍受したとかで、総合的に判断されますが、発射台を移動させる時には、燃料を取り出さないと、トレーラーは壊れてしまいます。燃料を取り出したら発射態勢は一時的に解かれることになりますが、また燃料を注入すれば発射態勢になります。
見方によって結論の出し方が変わるので、関係者の間で意見が違うのは不思議ではありません。
それよりも、腐食性がある酸化剤を長期間ロケットに充填したままだったことの方が不思議です。抑制剤を添加してあるとはいえ、1ヶ月も入れたままにできるのでしょうか。
この状況で、自衛隊は迎撃態勢を解かないようです。今後、北朝鮮が明確な終了宣言を出すことはないでしょう。どのタイミングで退くつもりなのかが気になります。
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