ロシアがシリアから軍人と民間人を避難
military.comによれば、ロシアはタルトゥース港(Tartus・kmzファイルはこちら)にある海軍基地に配置されたロシア軍人を含め、残っていた者を引き揚げました。
ロシア当局は水曜日に避難したことを認めましたが、自由シリア軍がロシア機を撃墜し、アレッポでパイロットを拘束したというイギリスのガーディアン紙の報道については公式に確認しませんでした。
タルトゥース港の施設から避難した後も、16隻のロシア海軍艦は東地中海に残ります。キプロスはロシア艦隊が利用できる港を建設したとガーディアン紙は報じました。
ロシア軍がシリアから撤退したというニュースは先週、「al-Hayat」紙がミハイル・ボグダーノフ外務副大臣(Deputy Foreign Minister Mikhail Bogdanov)に行ったインタビューではじめて明らかになりました。インタビューの間に、彼は「今日、ロシア軍人はシリアに一人もいません」と言いました。
ロシアのビジネス新聞、ベドモスティ紙(Vedomosti)は「シリアには軍人も民間人も一人もいない。さらに言えば、シリア軍に配属されたロシア人軍事顧問も」という匿名の官僚の言を引用しました。同紙はロシア製武器の使い方をシリア軍に訓練するために、シリア政府に雇われた技術専門家は残っていると報じました。ロシアのニュースネットワーク「Russia Today」は、撤退は進行中の軍事紛争が作り出す増加するリスクだけでなく、現状ではロシア軍人が関与するどんな事件でも国際社会から望ましくない反応をになりかねないという事実によって促進されたと言いました。
ロシアは数週間前からシリアから時刻の民間人を撤退させていました。インタファクス通信は、128人のロシア人と元ソビエト共和国の国民が水曜日にシリアを離れたと報じました。ボグダーノフ副大臣は約30,000人のロシア人がシリアに住んでいると言いました。
記事は一部を紹介しました。
この記事で興味深いのは、ロシア軍人が関与する事件が国際社会からの反発を招くとロシア政府が判断しているという部分です。これがロシア官僚の認識なのか、単に記者が作文をしただけなのかが問題ですが、ロシア政府の意向なら、やはりシリア問題でロシアと取引が可能だということの証拠になります。
キプロスに艦隊を置いたままにすることからは、この見方が正しいことを裏づけるように思われます。最も近い場所に艦隊を置いたままにしているのは、国際社会からの反発を招かないためと考えられるからです。ロシアは強行にシリアに武力介入しないという証拠でもあります。
状況は決して悪くない展開だという印象です。
最近、シリア内戦が米ロの代理戦争になっているという小論を読みましたが、古いキーワードにこだわって、新しい戦争の流れを理解できていない見解に過ぎません。冷戦期の代理戦争は現在のそれとは比べものにならないほど激烈でした。いまは当時よりも数段、経済が優先されます。それが分からないと、情勢は読めません。
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