ロシアが反政府派がサリンを使用した証拠を提出

2013.7.10

 BBCによれば、ロシアはシリア北部の村を攻撃した発射物が神経剤のサリンを含み、反政府派が発射したと考えられることを示す証拠があると言います。

 ロシアの国連代表は記者たちに、この調査結果はシリア政府の要請で行われた独立調査の結果だと言いました。

 3月19日、アレッポ郊外のカーン・アル・アサル(Khan al-Assal)での事件は、少なくとも27人の人々を殺し、数ダース分を負傷させました。先月、国連の人権評議会の独立国際調査委員会は、カーン・アル・アサルと他3件の攻撃で、有毒な化学剤が限定的な量で使用されたと考えられる合理的な根拠があると言いました。しかし、委員会は「使用された化学剤、発射システムや犯人を特定することはできなかった」と付け加えました。委員会はシリア政府に国連の化学兵器の専門家チームが入国することを要請しましたが、イギリスとフランスも調査したがっている地域に関する議論のためにシリア政府は要請を拒絶しています。

 月曜日、ロシアの国連大使、ウィタリー・チュルキン(Vitaly Churkin)は、シリア政府がロシアの専門家にカーン・アル・アサルを調査するよう要請したと言いました。彼らは発射体が着弾した場所を訪問し、サンプルを採取し、それらは化学兵器禁止機構(OPCW)に認定されるロシアの研究所で分析されたと、チェルキン大使は言いました。化学剤は「非誘導型発射体バシャル3型」で運搬され、これは自由シリア軍傘下の反政府グループ、バシャル・アル・ナスル旅団(the Bashair al-Nasr Brigade)が生産したと、彼は言いました。「分析結果は明らかに、カーン・アル・アサルで使われた兵器が工業的に生産されず、サリンを充填されていたことを示します」「発射体は化学兵器の使用で標準的に使われるものではありません」「開放型の装薬として使われるヘキソゲン(高性能爆薬)は、標準の弾薬では使われません。従って、反政府軍兵士がカーン・アル・アサルで化学兵器を使った者であると考えるのは合理的です」。チェルキン氏は、報告書は国連事務総長に提出されたと言いました。

 チェルキン氏の発表のあと、イギリスの広報官は「シリアの反政府派によって使用された化学兵器の、あるいは反政府派が化学兵器を得たという信頼できる報告がないことを見るまでは、我々に示された物は何であっても調査をします」と言いました。

 ホワイトハウスの広報官、ジェイ・カーニー(Jay Carney)は「アメリカもシリア政府の側にいる何者かが、化学兵器を使う能力を持つか、化学兵器を使ったと断定することを支持する証拠を持っています」「シリアで化学兵器が使われたことを調査する国際社会としての我々の能力は、国連の調査を認めないアサド政権によって妨害されています」と言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 読んでガッカリの記事でした。

 チェルキン大使の話だけからは、まともな証拠なのかは分かりません。まず、手製の砲弾にサリンを詰めるかという疑問があります。シリア政府が現場で証拠を改竄し、それをロシアの専門家に調べさせれば、当然、誤った結論が得られます。反政府派が西欧に渡したサンプルも同様で、改竄されている可能性は完全に否定できません。紛争当事者は、どちらも「自分が正しい」というものです。

 それよりも、戦況に関する情報が欲しいですね。


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