アサド支持グループがSNSをハッキング
BBCによれば、シリア北西部で一家族13人(ほとんどが女性と子供)が政府系部隊により殺害されました。
一部の報告は、沿岸の街、バニアス(Banias)に近い、バイダ(Bayda)での事件で、犠牲者は生きたまま焼かれたと報告しました。一家はほとんどがスンニ派でありながら、政府支持者がスンニ派を一掃しようとしている地域の村の出身者でした。
シリア軍はイデリブ州(Idlib province)のアリハ(Ariha)を砲撃し、少なくとも18人を殺害しました。活動家がインターネットに投降した映像は、沢山の損壊された死体を映しました。
シリア国営テレビ「Sana」は、政府軍はジャバット・アル・ヌスラ(Jabat al-Nusra)の武装グループ多数を、ダマスカス西部の街、アドラ(Adra)の近くで殺害したと報じました。活動家は反政府軍28人と共和国防衛隊将校1人が死亡したと言いました。
北部のラッカ州(Raqqa province)のクルド人部隊がアルカイダ系の「イラクとアル・シャム(レバント)のイスラム国家(the Islamic State of Iraq and al-Sham)」の拘束されたクルド人300人と引き替えに、地元指揮官を釈放しました。
バイダの事件では、少なくとも男性3人が政府軍と民兵により銃殺されました。一家の女性と子供は家の中の一部屋に集められ、そこで殺されました。一部の報告は、彼らは家に放火されたときに、行きながら焼かれたと言い、別の報告はその前に銃で撃たれたと言います。この殺害報告は、アサド派数人が死亡したバニアスでの戦闘の後に起こりました。
レバノンにいるBBCのジム・ミューア(Jim Muir)は、これは報復攻撃だろうと言います。
バイダ村は、アサド派の少数派であるアラウィ派が支配するタートス州(Tartus)におけるスンニ派イスラム教徒の飛び地です。バイダとバニアス両方は5月に100人以上が殺されたスンニ派の家族が虐殺された現場です。
alarabiya.netによれば、Sanaは政府派のグループが2つのソーシャルメッセージネットワーク(SNS)をはキングして、ローカルユーザの記録を入手したと主張しました。
これは、地元への軍の弾圧を公表したり、互いに連絡を取るためにネットワークに依存する反政府派やその他の活動家を暴露するかも知れません。シリア国内の多くの電話回線と携帯電話は盗聴されているとされます。SanaはSNSの「Tango」が「シリア電子軍(The Syrian Electronic Army)」により日曜日にハッキングされたと言いました。シリア電子軍はアサド政権を支持する正体不明のグループです。「Tango」からのコメントはありません。
シリアのメディアは別のネットワーク「Truecaller」も先週ハッキングされたと言いました。同社の公報、キム・ファイ・コック(Kim Fai Kok)は、「Truecaller」のウェブサイトがハッキングされたことを認めましたが、侵入者はユーザを特定する情報を含まない、いわゆる「トークン」をつかんだだけだったと言いました。トークンを使うためには、侵入者はセキュリティキーが必要で、彼らにそれは手に入らないとファイ・コックは言いました。ファイ・コックは同社がシリアへのハッカー攻撃を追跡し、現在はセキュリティを強化する追加措置をとったと言いました。
記事は一部を紹介しました。
これまでによく聞かれた戦況ニュースの他、目を惹いたのが、ハッキング事件です。
とうとう、こういう時代になったのかという感慨を持ちました。これまでも、先進国では諜報機関による盗聴が行われていることは知られていました。最近も、アメリカでの実態が暴露されたばかりです。
ニューメディアは、かなりの地域に広がっており、戦争でも使われるようになってきました。アルカイダはネットワークを多用していますし、2003年にイラクに侵攻した米軍に対抗するため、イラク人は迫撃砲の照準を誘導するため、爆弾を起爆するためなどに携帯電話を活用しました。シリアでは国民同士が連絡を取り合うためにSNSを利用しているというわけです。もはや、ネットワークの戦争への関与は明白です。
こうなると、西欧諸国のどこかに、世界中の反政府粗組織(西欧に牙を剥かない組織限定で)に安全なSNSを提供するNGO組織が誕生するのかも知れません。あるいは、想像もしない出来事が、普通に起きるようになるのかも知れません。
個人が利用するネットワークが軍事に影響を与える時代が到来しているのです。
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