政府につられて防衛省も海兵隊創設を支持
読売新聞によれば、防衛省は、中間報告に「自衛隊への海兵隊的機能の付与」を盛り込みました。
その内容は以下の通りです。
- 西部方面普通科連隊の強化
- 水陸両用車や垂直離着陸機オスプレイを保有する専門部隊の新設
- 陸海空3自衛隊の垣根を越えた運用
目を疑いました。自衛隊くらいは、用語の意味を踏まえた議論をしてくれるものと期待していましたが、陸上自衛隊の西部方面普通科連隊の強化の話に海軍の陸戦部隊である「海兵隊」という言葉を使うとは。
よく読むと「海兵隊的機能」で、「海兵隊」そのものではないことになっているものの、本来なら普通に「水陸両用部隊への転換」と書くべきでしよう。
現在の西部方面普通科連隊は、上陸訓練はしているものの、水陸両用戦闘車がなく、一気に離島に反抗を行えない問題があります。米海兵隊のAAV7みたいな水陸両用戦闘車を備え、離島への強襲上陸作戦を実施できるようにするのが、この構想です。
防衛省は安倍総理が使い始めた言葉をあえて使うことで、与党に媚びを売ろうとしているようにしか見えません。
周辺国に脅威を与えないためにも、この部隊がアメリカの海兵隊のように海外へ展開しないことを示すためにも、私は「海兵隊」ではなく「離島防衛隊」のような名称が適当と考えていましたが、安倍総理はいとも簡単に選択を間違えました。この誤りは、ずっと引きずることになる可能性があります。
米海兵隊は一面で「資本家のボディガード」なのです。実際、海兵隊のスメドリー・バトラー将軍は『戦争はあこぎな商売』という本を書き、その中で次のように書いています。(『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史1』から引用)
私は三三年と四ヵ月、この国で最高の機動力を誇る海兵隊の一員として多忙な軍務に明け暮れた。少尉から少将まで、すべての階級を勤め上げた。そしてその期間のほとんどを。大企業やウォール街、それに銀行家のための高級ボディガードとして働いた。早い話がごろつきと同じ。資本手主義のためのギャングである。
詳しくはこの本を読んでください。映画『アバター』の中で、ジェームズ・キャメロンが海兵隊を批判している理由が分かります。
|