外国人戦闘員がシリアからイラクへ移動か?
alarabiya.netによれば、イラクのヌーリ・マリキ首相(Prime Minister Nouri al-Maliki)は土曜日、シリアに殺到した武器と戦闘員が、いまはイラクに向かっていると言いました。
「シリアの殺人者たちに提供された武器はイラクに密輸され、異なる国々からシリアに来た狼たちはいまイラクに向かっています」と、彼は若者の集会で言いました。マリキ首相は、武器と戦闘員の動きは国に打撃を与えている暴力を増やしていると言いました。
イラクは公式にはシリア内乱には中立のままです。シーア派主導のイラク政府は、繰り返し、平和的、政治的な内乱解決を要請してきましたが、反政府派の勝利はイラクとレバノンの派閥闘争を引き起こすとも警告しています。
長大で穴だらけのイラク・シリア国境はスンニ派が支配するアンバル州(Anbar)とニナワ州(Ninevah)に沿い、2003年のアメリカ主導の侵攻では武器とアルカイダ戦闘員の主要な導管でした。何世紀にもわたる文化と部族の連携は、防御の甘い砂漠の未開地に広がっています。イラク国境警備隊は頻繁に越境しようとする武装勢力と密輸業者と衝突します。
バグダッドから北95kmにあるムクタダヤ(Muqdadiyah)に近い検問所への攻撃では、兵士3人が殺され、1人が負傷しました。バグダッドから北130kmにあるティクリート(Tikrit)では、ガンマンが軍の検問所に発砲し、兵士2人を殺しました。南部の港町、ウンム・カスル(Um Qasr)では自動車爆弾がありましたが、犠牲者はいませんでした。
過去数ヶ月で3,000人以上が暴力事件で殺されており、イラクが2006年と2007年の内戦に類似した派閥の流血の新段階になったという恐れを引き起こしました。
土曜日に警察が報告した別の暴力事件では、金曜日遅くに攻撃者は、キルクーク(Kirkuk)と、北部アル・シューラ(al-Shura)に近いトルコのジェイハン港(Ceyhan)をつなぐ石油パイプラインを爆破しました。
記事は一部を紹介しました。
イラクで活動している戦闘員がシリアから来たという証拠は、マリキ首相は明言していません。しかし、それは当然の成り行きだということで、あえて証明の必要もなさそうです。
これに加え、自由シリア軍の統一に関係して、シリアで活動場所を失った過激派がイラクに移動する可能性も考えてしまいます。
記事に書いてあるように、シリアからイラクへは、ユーフラテス川沿いに入るルートがあって、武装勢力に以前から活用されてきました。米軍はここで何度も掃討作戦を行いましたが、戦闘員の流入を止められませんでした。
こうした複数の国にわたるテロリズムは当面続きます。しかし、それを当たり前と考えるべきではありません。戦いはいつかは終わります。観察を続け、そのきっかけを見出し、平和を促進する活動が国際的な取り組みとして必要です。
これまでは、先進国が国益を中心に考えて対処してきましたが、もうそういう時代は終わりにしなければなりません。シリアに対する各国の対応は、自国の国益だけを考え、一貫しておらず、そのために武装勢力の勃興を招いています。考えてみると、同時多発テロ以降の先進国のテロ対応は、ヨタついているばかりで、信念を持って武力対処をするという感じには見えません。この軟弱ぶりも、問題を大きくしているのです。
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