ジャルバ氏がアサド追放後のシリアを語る

2013.8.19


 alarabiya.netによれば、シリア国家評議会の長、アフマド・ジャルバ(Ahmad Jarba)は日曜日に、少数派がアサド追放後の主要な構成要素だと言いました。

 「政権は国内のパニックの中で少数派を作るカードを切っています。彼らは反政府派が国を乗っ取り、人々を殺す過激派のグループだと信じさせようとしています」。その他の少数派の中で、トゥルクメン(Turkmen)の代表とアラウィ派は評議会の一員だとジャルバは言いましたが、多くのアラウィ派はジャルバが望むように参加はしていません。

 「革命の前、アラウィ派ではない反政府派のメンバーは5年間投獄されましたが、アラウィ派の反政府派は2倍の10年間投獄されました。現在、(政権は)見つかったアラウィ派の離反者すべてを処刑しています」「革命に関係していればアラウィ派に容赦はなく、家族も同様です。我々は革命の前にシリアにいた時からアラウィ派と関係を拡大してきました。我々は彼らの家で食事をし、彼らは我々の家で食事をしました」。ジャルバは反政府派に対する進行中の戦いがイランとヒズボラを含めたシリア政府の同盟者によって主導されているとも言いました。彼は政権の同盟者がシリアを本当に統治者しており、シリア国民やアサドではないと言いました。アサドはもはやシリアを統治していません」と彼は言いました。「シリアの本当の統治者はヒズボラの戦闘員が参加したイランの革命防衛隊です。アサド政権の後援者は、イエメンから来たフーシー派(Houthi)の武装勢力も含んでいます。

 ジャルバは最新兵器を自由シリア軍に供給することは革命の流れを変えると言いますが、西欧は武器が過激派にわたることを恐れています。彼は反政府派の戦闘員が29ヶ月間の反乱の中で少なくとも国土の半分を支配したとも言いました。アサドは殺人者であり犯罪者で、引き倒されたと、彼は言い、いかなる和解であっても、アサド派追放されなければならないと繰り返しました。彼はここ数ヵ月間が勝負だと言いました。


 記事は一部を紹介しました。記事の後半にはジャルバ氏の経歴が書かれています。

 アラウィ派が革命後の鍵だというのは、アラウィ派をアサド大統領から分離しようという戦略です。実際、反政府派は、あらゆる派閥を統合した非宗教的政府を目指すでしょうが、ここではアサド派の切り崩しを狙っているのです。これは当然の懐柔策です。

 また、ジャルバ氏の発言は、現場の様子からかけ離れているように思われました。国土の半数を支配したといっても、最近の政府軍の攻勢で、重要な都市、ホムスが陥落しています。各地の反政府軍はバラバラに活動していて、連携した戦術がとられている兆しはありません。西部沿岸での最近の進展も、どれだけ進んでいるのかが疑問です。

 話の中で同意できるのは、ここ数ヵ月間が勝負だというところだけです。

 すでに軍事顧問による訓練がはじまってから、かなりの期日が立ちます。トルコで様々な訓練を受けた人たちが戦いに参加していますが、目立った成果がみられません。

 シリアの大半は砂漠で、政治の中枢にあたる人口密集地域は、西部を南北に貫く幹線道路沿いの地帯です。ここで勝てなければ、最終的な勝利は得られないのです。そこに直接つながるような進展がなければなりません。反政府派が押さえた地域の多くは砂漠地帯です。

 リビア革命では、反政府派は一進一退はあったものの、着実にカダフィ大佐を追い詰めていきました。シリア革命は、それが非常に不透明なのです。


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